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はじめてのDAO【前編】|基本概念とその歴史と現状

2021年07月06日

目次

  • 前提
  • 1.DAOとは何か
  • 2.DAOの歴史と現状|その歴史からその特徴と必要性を読み解く
  • 総論

前提

「はじめてのDAO【前編】【後編】シリーズ」ではDAO(自律分散型組織)をこれから学びはじめたい方、ある程度知っているけれど大まかな全体像や役割を理解したい方、どうやってつくるのかを知りたい方を対象に「1.DAOとは何か」「2.DAOの歴史と現状」「3.DAOの類型」「4.DAOの作り方」を順に解説します。
今回のはじめてのDAO【前編】では「1.DAOとは何か」「2.DAOの歴史と現状」を解説し、DAOという概念を大まかにつかんで頂くことを目的にしています。別途レポートする【後編】は「3.DAOの類型」「4.DAOの作り方」を解説し、DAOの概念がどのような形で具現化されているのかを知る応用篇となります。
本レポートはDAOを知ってもらうための基礎講座シリーズとして一般公開しています。

1.DAOとは何か

DAOとはDecentralized Autonomous Organizationの略称であり、邦訳では自律分散型組織と呼ばれます。DAOの読み方は「ダオ」が一般的ですが、「ディー・エー・オー」とアルファベットをそのまま発音する場合もあります。
自律分散型組織とあるようにDAOは複数の主体が「分散的」に関与しながら「自律的」に機能する「組織」です。
少し掴みづらいかと思いますので、とりあえず枝葉の特徴は横に置いて既存の概念を引用してDAOを理解しましょう。DAOというのは大まかにいえば既存の「組織」の延長線上にあるものです。ですので、まず組織とは何か、何のために組織化するのかという前提となる考えを最初に説明します。
組織化の目的には諸説ありますが、その目的の一つに市場における取引コストの削減が挙げられます。ここでいう取引コストとは以下のものを含みます。
  • 取引相手を見つけるコスト
  • 交渉コスト
  • 合意形成し履行するコスト
異なる当事者を市場に集めてこれらの取引を行うことは、時として複雑化や不確実性を招くため効率的ではありません。このことからも市場における信頼されていない当事者間の取引コストは増加すると考えられるため、組織化による取引コスト削減がなされます。そしてこの取り引きコストの削減は詰まるところ「契約」によってなされるものです。
つまり、組織とはこれらのコストを削減することを目的とした「契約の集合体」であるということが言えます。
DAOもまた組織ですから、その延長線上で捉えると同じように「契約の集合体」であると言えます。そして既存の組織との大きな違いはこの「契約」が紙とペンとハンコでなされるものではなく、より簡素化された「スマートコントラクト」を契約方法として採用している点にあります。
ですので、最もピュアなDAOとは「スマートコントラクトの集合体」と言い換えることができます。
※スマートコントラクトは大まかに表現すると、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組みのことです。詳しくはこちらを参考ください。
DAOは「スマートコントラクトの集合体」であることを本節では示しました。次節ではこのような仕組みを持つDAOにどのような特徴があり、どのような必要性が見出されたのかを解説します。
【まとめ】
  • 最もピュアなDAOとはスマートコントラクトの集合体である
【より深くDAOとは何かを学びたい方向けコンテンツ】

【コラム①】「スマートコントラクトの集合体」と「従来の組織形態」の主な違い

「スマートコントラクトの集合体」としてのDAOと「従来の組織形態」の違いはいくつか挙げられますが、大きな違いは財務状況の表現方法にあります。
従来の組織形態、例えば上場企業(株式会社)の財務状況は、年一回の有価証券報告書、3ヶ月ごとの四半期報告書という形で開示された情報を通じて私たち一般人でも閲覧することができます。非上場企業には決算書等の開示義務が課されていない場合が多いですが、資金調達をする場合などには投資家から開示を求められることもあります。
一方のDAOの財務状況はパブリックブロックチェーン上のトランザクション履歴がそれに該当し、こちらもまた私たち一般人でも閲覧することができます。
非上場企業の場合を除いて比較すると、ともに一般人が財務状況を確認できるという点では違いがありません。
ただし、上場企業の財務報告書がある時点でのスナップショットであるのに対して、DAOの場合は財務状況が(ほぼ)リアルタイムにブロックチェーン上に反映されていることは特筆できる点です。
加えて、それぞれの財務データが何を持ってその真正性を担保しているのかも大きな違いの一つです。
上場企業が開示する財務報告書は自己申告であり、その真正性は独立した監査法人の信頼性に依存します。一方のDAOはスマートコントラクトを通じてオンチェーンでトランザクションを起こしますので、それを反映したトランザクション履歴の真正性は該当するブロックチェーンの信頼性に依存しています。
  • 株式会社の財務諸表|自己申告+独立監査法人
  • DAOの財務データ|パブリックブロックチェーン
この点だけを見ると「信用コスト」の発生源が異なるということがわかります。言い換えると検証先の違いです。株式会社が「独立監査法人の信頼性」を検証先としているのに対して、DAOは「パブリックブロックチェーンの信頼性」を検証先にしています。コストの如何もありますが、重要なのはその検証先の信頼性が影響する範囲の違いにあります。DAOは基盤となる「オープンソース」のブロックチェーンとスマートコントラクトの信用を借用することになるので、例えスタートアップであったとしても「グローバル」に資金調達できる可能性があり、故に「草の根的なインターネットコミュニティ形成」が行いやすいという特徴があります。ただし「ブロックチェーン=トラストレス」は「ブロックチェーンは信用を必要としない」を意味するわけではないことには注意が必要です。
これらの点を踏まえて、DAOは従来の組織形態と比較して「透明性が高い」組織形態と表現されます。
とはいえ、パブリックブロックチェーン上のトランザクション履歴は何かしらの形に加工し直さないと財務状況を読み取りづらい部分もありますので、この点の表現方法の工夫は今後必要になるでしょう。この点でDeFi Protocol DAOであるYearnが2021年Q1の四半期報告書を作成して開示したことは興味深い事例と言えます。
これ以外にもDAOと従来組織形態の違いはありますが、この点は【コラム③】何がDAOの解釈を困難にさせているのかで改めて後述します。

【関連レポート】

【コラム②】DAOに関する+アルファ

本節でDAOを「最もピュアな」とあえて形容したように、一般的なDAOは「スマートコントラクトの集合体」+アルファで成り立っています。この+アルファは、スマートコントラクトで事前定義できないものを補うために存在します。
例えば組織としての方向性は外部環境の影響を受け軌道修正されることもありますから、スマートコントラクトで全てを事前定義してDAOを管理することは困難です。そのため、柔軟性を必要とする一部契約は議論の場を通じて、参加者間の同意を得て決定されます。つまり、この点は従来の組織同様に参加者間の認識のズレをすり合わせて組織としての方向性を決めていく会議(オンチェーンガバナンス+オフチェーンでの議論の場)が存在するということです。
筆者が観測している限りにおいては、この会議の意思決定方法はDAOの参加者の自律性如何によって、「①民主主義的にボトムアップでなされるパターン」や限られたメンバーのみによるトップダウンで提案され、それを「②民主主義的に投票で決めるパターン」、「③投票なく決断されるパターン」の大きく3パターンがあると認識しています。各パターンの長所短所はあるものの、DAOの性格や置かれた外部環境に影響を受けますので、どれが一番良いというものではありません。この点は本筋とは脱線しますので【コラム④】「社会資本」中心と「経済資本」中心のDAO比較(後編に記載)で解説します。

2.DAOの歴史と現状|その歴史からその特徴と必要性を読み解く

DAOという概念そのものは非中央集権に稼働するBitcoinの仕組みに感化されて2015年ごろからEthereumコミュニティで用いられ始めたものです。この概念を最初に反映したプロジェクトが「The DAO」であり、2016年にSlock.it主導で開発が進められました。これがはじまりとされており、別称「Genesis DAO/※DAOの起源」と呼ばれます。
The DAO(以下Genesis DAO)が誕生した背景を理解するために、前節で説明した従来の組織について少し振り返りをして、その上で見えてくる課題を説明します。
組織化の目的とはコストの削減にあり、そのために契約の集合体が作成されました。ここまでが従来組織について前節で解説した内容です。この従来の組織化の目的は取引コストの削減ではありますが、管理者と法的ルールによる人的コストをかけた統治によって他の当事者間の取引コストを削減しています。つまりそれを管理するために別途「運営コスト」が発生しています。この人的「運営コスト」は言い換えると「組織を制限する摩擦」であり、ネットワークとしての規模を制限しています。
この人的「運営コスト」削減を「組織内のルールや手順の一部または全てをコード化し、実装することによるワークフローの効率化」を推進していこうという考えは従来の組織でも模索されていることです。
そして端的に言えば、この「」の部分をスマートコントラクト群で構成しているのがDAO(自律分散型組織)です。
ここまで抽象度の高い話を進めてきたので、Genesis DAOを例にして少し具体的にDAOの特徴を見てきましょう。
Genesis DAOは「1.資本形成」「2.資金調達」という二つの視点の効率化を期待した投資系DAO(Investment DAO)プロジェクトです。二つの視点、つまりDAOに期待したことを具体的に説明すると以下のように整理できます。
※さらりと投資系DAOと書きましたが、DAOにはいくつかの種類があります。DAOの類型は「初めてのDAO【後編】」で解説しています。
  1. 「資本形成」
    インターネットネイティブという性質からEthereumエコシステム内の有望なプロジェクトに対して、いつでも、どこでも手軽にスマートコントラクト(資本プール)を通じて投資できること、また資本形成に関連する取引コスト削減及び取引過程の効率化に対する期待

  2. 「資金調達」
    同じ理由から、プロジェクトをもつ人であれば、誰もが自分のアイデアをコミュニティに売り込むことができ、DAOからの資金調達が可能になることへの期待
なぜ以上のような期待を具体化できると考えられたのか、これはEthereum上のスマートコントラクトが従来の株式会社がエクイティ(株主資本)で資金調達する際に必要な二つの要素を備えていたからです。従来の言葉で表すと「キャップテーブル(資本政策表)」と「銀行口座」の二つです。
  1. キャップテーブル
    キャップテーブル(Cap table)またはCapitalization tableは邦訳すると資本政策表の意です。その目的は資金調達のために会社の所有権を明示する目的で必要な情報を投資家に対して提供することです。株式会社の場合はエクイティで資金調達しますが、DAOの場合はDAOが発行するトークンで調達するのが一般的です。そしてこれらトークンがどのように配分されているのかはブロックチェーン上で追跡することができ、さらに総発行量や発行、償却方法をスマートコントラクトで事前定義できますので、この点においては透明性の高いキャップテーブルを作ることができます。ポイントは「情報の流れ」に加えて信頼できる「資本の流れ」をブロックチェーン上でリアルタイムに反映させて可視化できるという点にあります。

  2. 銀行口座
    投資家、資金調達する組織間で資金を移動させるために必要です。DAOの場合はパブリックアドレスがそれに相当し、投資家、組織がそれぞれ管理するWalletを通じてP2P取引できます。個人の身元情報が特定されているか否かに関わらず、個々のアドレスのトランザクション履歴が可視化されていることや、スマートコントラクトを通じて効率的に配当ができることが特徴です。
これら二つの要素は後々のDAOプロジェクトも兼ね備える基本要素として引き継がれています。
以上のような背景から、Genesis DAOは摩擦の少ない共同出資の理念を提唱し、インターネットを通じて不特定多数のユーザーから「資金調達」を行い、「資本形成」を成した初のDAOプロジェクトとなりました。つまり、Genesis DAOは「経済資本」を中心にして不特定多数が参加するインターネットコミュニティを管理しようとしたプロジェクトだったと言えます。
Genesis DAOは以上のようなことを期待されて誕生したのですが、その結果は残念ながら失敗に帰しています。要因は二つあり、一つは「法的要因」、もう一つは「技術的要因」です。
「法的要因」はDAOとはいえ、営利目的に投資を行う組織であり、Genesis DAOへの資金提供の見返りに得るDAOトークンが証券に該当する疑いがあったこと、そして法的構造を有していない不特定多数のコミュニティであったことから責任の所在が不明であることが問題視されました。もう一つの「技術的要因」はDAOが保有する「資金の安全性」に関連しますが、これはスマートコントラクトの脆弱性を突かれた資金流出という形でGenesis DAOの失敗を決定づけた要因でした。
ただし、このGenesis DAOの失敗は後のDAOプロジェクト発展の糧となっており、証券の疑い(法的要因)を回避するために「助成金/Grant」という形でプロジェクトを支援する非営利目的のMoloch DAOGitcoin(2021年にDAO化)などのGrant DAOがGenesis DAOの概念を引き継いでいます。
またのちに法的要因を解消する法的契約書とスマートコントラクトを組み合わせたOpenlawプロトコルの誕生により、米国デラウェア州の有限責任会社という形でパーミッションレス性を多少犠牲にしつつもDAOの形式をとったベンチャーキャピタルファンドThe LAOMetaCartel VenturesがInvestment DAOを再誕させています。※ちなみにMetaCartelはGrant DAOから始まり、のちにInvestment DAOを別途走らせています。
またこの法的要因については当局からのアプローチも進んできています。米国ワイオミング州ではDAOを法的に明確化することを目的にしたDAO法(DAO Law)が作成され、2021年に議会による最終承認を受けて2021年7月1日に施行されています。またこれを受けて、米国初の合法なDAOとしてAmerican CryptoFED DAOが誕生しています。ヨーロッパのマルタ共和国でも同様の動きがあります。
ここまでの説明でわかるようにDAOは法的な観点からRegistered DAO(登録済みDAO)とUnregistered DAO(未登録DAO)に大きく二分することができます。そして現在多く存在するDAOは後者であり、法的地位がよくわからないままになっています。この点はCOALA(the Coalition of Automated Legal Applications)によるThe DAO Model Lawの動向が着目されます。
一方の技術的要因は今現在でも課題の一つです。執筆時点でもDeFi Protocol DAOの資金流出という形で現れています。新たなマネーレゴが現れてスタックされるたびに、リスクが積み重なりますので、まるで見えない相手とチェスをしているかのようなものです。この点はHashHub Researchでも取り上げている主要テーマの一つです。以下のレポートを参考にしてください。
【技術的要因に関連するレポート】
  • DeFiのリスク構造を正しく理解するための延焼度という指標
    "DAOが保管している資産の安全性は、該当するDAO管理下にあるスマートコントラクトにのみ依存しているわけではありません。保管する資産を、異なるDAO管理下にあるコントラクトと連携して運用するということは珍しいことではありません。これはマネーレゴという概念が持つ特徴であり、それ故の長所短所があります。本レポートでは「延焼度」という言葉を用いて、マネーレゴのリスク構造を解説しています。"
  • DeFiのリスク分析タグに紐づくレポート
    "HashHub Researchでは、DeFi Protocol群が過去に起こした事故を個別に分析してレポート化しています。過去の失敗から学ぶためのコンテンツとしてご参考ください"
【法的要因に関連するレポート】

【まとめ】
  • 従来の組織では管理者と法的ルールによる人的コストをかけた統治によって他の当事者間の取引コストを削減しています。DAOはこの際に発生する「運営コスト」をスマートコントラクトを用いて組織内のルールや手順の一部または全てをコード化し、実装することでワークフローの効率化を行っています。
  • DAOの始まりは「資本形成」と「資金調達」の効率化を図るものでしたが、当時は「法的要因」と「技術的要因」が課題とされました。この二つの課題はあとに続いたDAOプロジェクトの個別アプローチや当局との対話の中で模索が続けられています。
より深くDAOの必要性を学びたい方向けコンテンツ

【コラム③】何がDAOの解釈を困難にさせているのか

参照:https://aragon.org/dao
一般的にDAOは透明性が高く、パーミッションレス(許可を必要としない)な性質をもち、中央管理者が存在しないと語られますが、これはブロックチェーン上で展開するスマートコントラクト群によって結果的になし得る1パターンであると筆者は認識しています。
上図表はDAOと従来の組織形態の違いをAragonが整理したものです。この図表を見ると一般的なDAOの組織形態(構成メンバー)は非常にルーズであることが示されています。これは組織ネットワークの出入り口の摩擦が非常に弱く、コミュニティに参加したり、脱退したりといったことが従来の組織と比較して手軽に行えることに起因します。言い換えると比較的スイッチングコストが低いということです。
また組織内にヒエラルキーが発生しづらいこともDAOの一つの特徴です。【コラム①】「スマートコントラクトの集合体」と「従来の組織形態」の主な違いで触れたように草の根的なコミュニティが形成されやすい(仕組み上そうなりがちとも言える)ことに加えて、本節で言及した組織化の理由にも起因します。管理者の主な役割は組織内の交通整理にあり、つまりは組織を構成するメンバー間の契約をまとめることにあります。この点をDAOは一部スマートコントラクトで代替しているために、従来の組織と比較すると管理者の必要性が相対的に小さくなっているとも言え、それゆえにヒエラルキーが発生しづらいと捉えることもできます。DAOの透明性が高いことは【コラム①】で前述した通りです。
ただし、これらの特徴として挙げられる言葉は実態としてのDAOの一部を指していることには注意が必要です。より厳密に言えば「従来の組織形態と比較して」と比較級で示される傾向であり、表現としては濁りがあるということです。※筆者は濁りがあることは良いことだと解釈しています。
例えば透明性の高さはパブリックブロックチェーン上で実行されたトランザクション履歴やオープンソースであることを主に指しています。しかし、スマートコントラクトで事前定義できない組織(DAO)としての方向性は必ずしもオンチェーン投票で決まるのではなく、比較的不透明なオフチェーンで処理され、方向性が決まる場合もあります。この点は状況によってはその方が適している場合もあるからです。
つまり、この点においては必ずしも透明性が高いわけではなく、特権的な地位にあるコアチームがいる方が開発効率が良い場合もありますのでそれゆえにヒエラルキーも存在し、「DAO=草の根的な組織」「DAO=管理者がいない」という言葉がその実態を正確に反映しているわけではありません。またパーミッションレスであるか否かはThe LAOのような当局の管理下にある有限責任会社という形をとったDAOの場合は、KYC/AMLは必要であり、この場合はコミュニティの参加に許可を必要とします。
何が言いたいかというと、一般に語られるDAOはあくまで理想的な一つのパターンであり、必然的に備えている性質ではないということです。つまり、多くの場合において実態としてのDAO(議論を必要とする社会)ではなくその理想像であるBitcoin(市場原理だけでまわる社会)を説明している場合が散見されます。
BitcoinのようなピュアなDAOが将来的に実現する可能性はありますが、今時点のDAOはあくまでも中央集権型と非中央集権型の血を引き継いだ間の子であるため、その特徴には多様性があり、個々の市場環境に適応した特徴を孕んだ形態として表されます。つまり具現化した姿が個々に異なっており、その時に枝葉として現れる特徴をDAOの特徴であるかのように解釈するとDAOという概念がちぐはぐな姿をした怪物として脳内で表現されてしまいます。
枝葉をまとった姿は重要ですが、それをDAOの本質として解釈してしまうと応用が効かなくなるという弊害が生まれてしまう可能性もありますので、まずは基本的な仕組みを押さえた上でそれぞれの枝葉を見ながら、体系立ててDAOの理解を深めていくのが良いのではないでしょうか。

【関連レポート】

総論

はじめてのDAO【前編】では、DAOという概念を大まかにつかんで頂くことを目的に「1.DAOとは何か」「2.DAOの歴史と現状」を解説しました。
はじめてのDAO【後編】では「3.DAOの類型」「4.DAOの作り方」を解説し、DAOの概念がどのような形で具現化されているのかを知る応用篇となります。

※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。

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