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DeFiのリスク構造を正しく理解するための延焼度という指標

2020年08月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • 債権トークンの背後にあるリスクと構造を考える
    • MakerDAOのVaultでDAIを発行する/発行されたDAIを利用する際のリスク
    • DAIで事故が発生したときの延焼被害
    • Compoundで事故が発生したときの延焼被害
  • 延焼度が限定されている例
  • トークンそのものが高い延焼度のリスクを追っているもの
  • 結論

前提

本レポートでは、DeFiのリスク構造を測る一つの指標として「延焼度」という概念を提唱すると共に、現在広く使われているDeFiプラットフォームやそれらのプラットフォームで付随的に発行される債権トークンが構造的に有するリスクについて論じます。
ここで扱う延焼度という概念は、アカデミックな論文に裏付けされているものではありませんし、国内外のリサーチャーの議論の的になってきたわけでもありませんので、何らかの瑕疵を含む可能性があります。
しかしこの概念は筆者はDeFiサービスを使ったり、DeFiトークンに投資をしたりする際に半ば無意識に使っていたものであり、現在使用できる道具としては一定の有用性があると判断し、レポートとしてまとめることにしました。

延焼とは、「火事が、火元からさらに他へ焼けうつってゆく」現象を指します。DeFiは様々なプロトコルを組み合わせて使う性質を持つため、マネーレゴと呼ばれることがあります。この様々なプロトコル、複数のスマートコントラクトを経由したファイナンスを実行すればするほど、それぞれのプロトコルの潜在的リスクを負う場合があります。しかしながら、さらに重要な点として、本文中で詳細に解説しますが、それぞれのプロダクトがそれぞれの判断でロジックを組み、リスクを限定されているケースも存在します。
こういった度合いを、筆者は延焼度と表現し、今回のレポートではその概念を順序立てて解説します。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。