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HyperliquidのHIP-3は、分散型金融の新たな市場基盤を拓く

2025年07月08日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • HIP-3 の概要
    • コアメカニズム
    • セキュリティとスラッシングの枠組み
    • Hyperion DeFiの転換 – ハイプトレジャリーとオンチェーン戦略
    • HIP-3がもつ意義
  • 今後の展望:パーペチュアルDEXから金融インフラ層へ
    • ロングテールの解放
    • 「ビルダー所有パーペチュアル」の台頭
  • 総括
Hyperliquidは、DeFi Perpetualカテゴリにおいて、取引高のおよそ8割以上を占める規模を誇っています。

https://app.artemisanalytics.com/sectors


そのようなHyperliquidの新しい提案であるHyperliquid Improvement Proposal 3(HIP-3)は、Hyperliquidの次の進化の布石です。
この提案は、パーペチュアル市場の上場プロセスをパーミッションレスにすることを目的にしています。これまでHyperliquidチームによって管理されていたパーペチュアル市場の上場プロセスを、誰でも参加可能なパーミッションレスモデルへと移行させます。
現在、MVP(Minimum Viable Product)がテストネットで稼働中であり、その動向が注目されています。本レポートでは、HIP-3の概要、これがもたらす意義の解説、市場に与えている影響と今後の展望についてフォーカスします。
公式ドキュメント:HIP-3: Builder-Deployed Perpetuals

以下の関連レポートにて入門から現状まで網羅しています。本レポートをお読みいただく前提としてご覧いただくとより理解が深められます。
関連レポート

HIP-3 の概要

https://hyperliquid.gitbook.io/hyperliquid-docs#technical-overview

コアメカニズム

HIP-3では、「ビルダー」と呼ばれる第三者の開発者や事業体が、以下のメカニズムを通じて新しいパーペチュアル市場を創設できます。
  • パーミッションレスなデプロイ: 誰でも新しい市場の創設を開始できる。
  • ガス代のダッチオークション: 市場のデプロイ(展開)は無料ではなく、31時間ごとに開催されるダッチオークションを通じて、ガス代をHYPEトークンで支払う必要がある 。これにより、新規上場の機会が市場原理に基づいて価格付けされる。
  • 新規オンチェーンオーダーブック: 各デプロイは、HyperCore上に新たなオーダーブックを割り当てる。これにより、新規市場が既存市場のパフォーマンスを低下させることなく、スケーラビリティが確保される 。
パーミッションレスであることは無責任を意味せず、デプロイヤーの要件と責任として、以下のようなものがあります。
  • 市場の定義: コントラクト仕様や、価格決定に用いられるオラクルの定義などを設定する。
  • 市場の運営: オラクル価格の更新、レバレッジ上限の管理、必要に応じた市場の決済など、継続的な市場運営を担う。
  • 100万HYPEのステーク: 市場の品質を保証し、ユーザーを保護するため、デプロイヤーは100万HYPEトークンをステークし続ける必要がある。

セキュリティとスラッシングの枠組み

HIP-3には、悪意のある行為を抑止するためのメカニズムが組み込まれています。

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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。