主要アルトコイン価格に影響する最大要因:アルトコイン・トレジャリーの現状と懸念リスクとは
2025年07月30日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- はじめに
- マルチチェーンでのアルトコイン・トレジャリーがすすむ
- アルトコイン・トレジャリーの波及効果 - 市場構造、機会、そしてシステミックリスク
- Pros
- Cons
- 規制の視点 - CLARITY法と将来の市場展望
- CLARITY法成立「グリーンライト」シナリオ
- 総括
- 参考文献
本レポートでは、急速に台頭している上場企業によるアルトコイン・トレジャリー(BTC以外の暗号資産を用いた財務戦略)という現象について、分析します。
現在、ETHにおいてSharpLink社、TRXにおいてはTron Inc、SOLではDeFi Developmentなど、複数の企業がアルトコイン・トレジャリーを打ち出し、株価高騰などで話題となりました。
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しかし、彼らはなぜこうした戦略を取っているのでしょうか?また、この取り組みは暗号資産市場にどのような影響をもたらすのでしょうか?
現在、ETHにおいてSharpLink社、TRXにおいてはTron Inc、SOLではDeFi Developmentなど、複数の企業がアルトコイン・トレジャリーを打ち出し、株価高騰などで話題となりました。
しかし、彼らはなぜこうした戦略を取っているのでしょうか?また、この取り組みは暗号資産市場にどのような影響をもたらすのでしょうか?
本レポートでは、彼らの現状を紐解き、市場構造のメカニズムを解説し、今後起きるであろう市場の展望を考察します。
関連レポート:クリプト財務戦略企業に対する雑感(2025年7月時点)
はじめに
現在観測されるトレンドは、Strategy社(MSTR)が確立した戦略の進化形として文脈を理解することがわかりやすいでしょう。
Strategy社は、上場企業がデジタル資産への代理投資として機能し得ることを証明しましたが、その戦略は本質的に受動的(購入と保有)であり、利回りを生まない資産(ビットコイン)に焦点を当ていました。
これに対し、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)などのProof-of-Stake(PoS)アルトコインを中心とする新たな波は、根本的に異なります。
これは、ステーキングやその他のオンチェーン活動を通じて利回りを生み出すことに焦点を当てた能動的な戦略であり、企業の財務資産を単なる価値の保存手段、あるいは株価維持高騰戦略だけでなく、収益を生み出す資産として機能させようとする意図も含まれるようになりました。
この新しいモデルを最も大規模に可視化した初期事例の一つが SharpLink Gaming社(NASDAQ: SBET) です。
同社は、ゲームおよびスポーツベッティングのマーケティング企業から、事実上のイーサリアム・トレジャリー企業へと戦略的に転換しました。
この転換の原動力となったのが、4億2500万ドルのPIPE(上場企業による私募)による資金調達です。決定的に重要なのは、このラウンドを主導したのが、イーサリアムのインフラおよびソフトウェア開発をリードするConsensysであったことです。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。