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Yearnの財務レポートを読む(2021上半期)

2021年06月20日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Yearnのプロダクトや略歴
  • Yearnの2021Q1の財務レポート
  • Yearnの主要なストラテジー及びパートナーシップが可能にしているストラテジー
  • 総論

前提

本レポートでは、2021年上半期のYearnの財務レポートを読み解き、同プロジェクトの現在の全体像を大まかに理解します。
YearnはDeFiのアセットマネジメントアグリゲーターと呼ばれるカテゴリにプロジェクトです。ユーザーはYearnのスマートコントラクトに資金をデポジットすることで、複数のプロトコル間で資金をリバランスして最適に運用します。
YearnがDeFIアグリゲーターとして最大のプロジェクトであり、かつ管理者がいないDAOとしても代表的な存在です。YearnはDAOとしての収益・利益報告も行っており、本レポートではこの収支報告を読みます。
Yearn Finance:https://yearn.finance/

Yearnのプロダクトや略歴

まず初めにYearn Finance(以下Yearn)のプロダクト一覧や略歴を整理します。Yearn Finance(以下Yearn)は、DeFiにおけるイールドアグリゲータープロトコルのリーディングプロジェクトです。Yearnの現在の主力プロダクトはyVaultsです。
元々は、Yearnは、2020年初頭にレンディングのアグリゲーターであるiEarnをリリースしました。ステーブルコイン(USDC、USDT、DAI)をAaveやdYdX、Compoundなど複数のレンディングプロトコル間でシフトさせ、利回りを得るスマートコントラクトでした。iEarnは現在、CurveのyPoolとして知られています。YearnのガバナンストークンであるYFIはこのプールに流動性提供をしていたユーザーに配布され、その配布は10日間で終了しました。
もともとローンチしていたのはレンディングのアグリゲーターであるiEarnでしたが、その後にyVaultsを公開します。2020年中頃にDeFiで利回りを得る主流な方法が単純なレンディングに加えてガバナンストークンの獲得であるファーミングという概念が加わったこともあり、より高度なアグリゲーターが求められるようになりました。yVaultでは専門家であるストラテジストが資金運用手段を提案して、その資金運用手段が採用されたらそれがスマートコントラクトとして公開され、ユーザーはコントラクトを通して資金運用できます。ユーザーはDeFiの高度な戦略の知識がなくともストラテジストが考案した運用手段を利用して収益を得れます。
yVaultのプロトコルとしての収益モデルとしては、資金をデポジットしたユーザーが獲得した利回りの5%を手数料として徴収することです。また、その5%のうちの10%はストラテジーの提案者への報酬となります。大部分の90%はプロトコル収入になり、プロトコルが財務管理するかYFIトークン保有者に還元されます。
Yearnに関しては過去に複数のレポートを公開しています。
また、2020年下半期には、SushiSwap(分散型取引所)、C.R.E.A.M(レンディング)、Keep3r Network(ジョブプラットフォーム)、Pickle Finance(イールドアグリゲーター)とパートナーシップを組成しています。
Yearn v2もリリースしており、v2ではVoultの柔軟な手数料設計と一つのVoultで複数のストラテジーの採用ができるようになっています。
また2021年2月にはVoultsの一つが攻撃されて資金流出した事例もあります。この攻撃の被害はプロトコルが保有するYFIトークンをMakerDAOで担保にしてDAOを生成し補填されました。
しかしながらYearnのTVLは$2Billionになっており、DeFiで最大のイールドアグリゲーターとして存在感を増しています。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。