分散型金融(DeFi)でファーミングプールを実現するyVaultの概要
2020年08月13日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- yVaultはファーミング機会を最適化する
- LINK用のyVaultの具体的な動き
- ステーキングプール
- yVault(ファーミングプール)
- Synthetix用のyVault
- 結論
前提
本レポートではyearn.financeが開発するyVaultの概観を行います。yearn.financeはレンディング先を振り分けることで利回りを最大化させられるプロダクトを中心に開発を行っており、最近では独自トークンYFIが大きな盛り上がりを見せました。
※レンディング先の自動振り分けは、複数のレンディングプラットフォームの中から、リスクを勘案した上で、最も高い利回りを示すプラットフォームに、DAIやUSDCなどの資産を分配することを指します。
*参照レポート:yearn.financeとYFIトークンを軸にDeFiの最前線を理解する
*参照レポート:DeFiプロジェクトの流動性マイニングの構造を理解する
yearnが行っているのは、DeFiサービスのアグリゲートで、他社開発のDeFiサービスをも含めて最適な利回りや交換レート、ファーミングを実現させるものです。「アグリゲート」という言葉は、我々が普段各航空会社で直接チケットを買うのではなく、Google flightやSkyscannerで横断的に複数の航空会社のチケット価格を確認してから最良レートのチケットをフライト時間や乗り換え数、評判などを踏まえて買っていることをイメージすれば良いでしょう。
既にyearnやYFIについては過去のレポートでも解説していますが、今回yVaultに触れるのは、これがDeFi関連サービスの最先端だからです。最先端であるがゆえに非常に大きなリスクがあり、利用は推奨できません。ただし、「DeFiはここまでできるのか」という感想を持つようなプロダクトが積極的にローンチされているため、観測し続ける合理性があります。
Executive Summary
- yVaultは遊休資産を使った利回りの最適化を目指すプロダクト
- リスキーではあるが、コード監査とロジックの最適化が完了すると、トレーディングBotのように資金の効率的な利用に繋がる
- 現在はLINKやSNXなど少数のトークンに対応
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。