Web5をはじめとするGlobal Verification Network入門【後編】|Disco、Gitcoin passportにみるVCのユースケースと将来像
2022年07月02日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Disco.xyz|パブリックブロックチェーン上のSSIソリューション
- Disco.xyzの現状からみえる今後必要とする措置
- 1.データ(VC)の扱いについて|現時点でのAnoncredsとの相違点
- 2.Disco.xyzで作成したDID/VCのユースケース|「鶏が先か、卵が先か」のジレンマ
- Gitcoin passport
- Gitcoinの助成金システムの仕組み|QF(Quadratic Funding)の解説
- Gitcoin passportに期待される役割|助成金システムの脆弱性を補う
- Gitcoin passportはサードパーティにも利用されるWeb3 DIDのデファクトになり得るか?
前提
(※本レポートではWeb5をはじめとするGlobal Verification Networkの大まかな動向、SSIの基本的な解説【前編】を行います。なお本レポートは【前編】【後編】の二本立てで構成しています。【後編】ではパブリックブロックチェーン上での具体的なユースケース紹介としてCeramic Networkを活用したDisco.xyz、Gitcoin passportを解説します。)
【後編】ではCeramic Networkを活用するDisco.xyz、Gitcoin passportの二つのプロジェクトを解説します。なおCeramicについては以下のレポートをご参考ください。Ceramicを活用するプロジェクトは今回紹介する事例以外にも多くあり、例えばProof-of-Career protocol(経歴証明)に用いるC-Voxelなどもあります。HR業界への応用事例として参考になるでしょう。
【Ceramic関連レポート】
【Ceramic関連レポート】
またパブリックブロックチェーン上のアイデンティティソリューションには今回紹介するDID/VCを軸にするもの以外にもNFTを活用したもの、例えばソーシャルグラフとしての活用を目指すLens ProtocolやSoul Bound Token(略称:SBT。EIP-4973に類似)などもあります。
VC、NFTのどちらをアイデンティティレイヤーに用いるかはそれぞれに一長一短あり、成し得ることも異なりますから、どちらか一方のみを使うというものではありません。CivicのようにVCとSBTのようなNFTベースのIDをつなごうと試みる動きも最近は出てきています。(参考:Why We Issue Identity Tokens)
今回のレポートは特にVCをどのようにパブリックブロックチェーンで利用しているのか、また将来的にどのように活用される可能性があるのかを理解して頂くことを目的にしています。本レポートの主はGitcoin passportですが、その前座としてリリース前のDisco.xyzをご紹介し、現状の課題、方向性を概説します。その後にGitcoin passportが垣間見せるパブリックブロックチェーン上でのDID/VCの可能性、ユースケースをご紹介できればと思います。
※補足 譲渡可能なNFTをクレデンシャルとして用いる利点については過去レポート「NFTの普遍性と個別性【後編】」「NFT/FTとして表現されたクレデンシャルの優位性」の節にて私見を述べました。これが全てではありませんが、ご参考いただければと思います。
【Global Verification Network入門シリーズ】
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