Ceramic Networkの概要 相互運用可能なアイデンティティを中心としたコンポーザブル・ウェブの構築

目次

  • 前提
  • コンポーザブル・ウェブの実現には何が必要か
  • Ceramic Networkの概要
  • 総論

前提

本レポートでは3BoxLabが開発しているCeramic Networkを概説します。Ceramic NetworkはCeramic protocolを実行するノード群からなる分散型ネットワークであり、Ceramic ProtocolはdWeb(Decentralized Web)上のあらゆるタイプのデータ構造の計算、ステート変換、コンセンサスを提供するパーミッションレスなオープンソースプロトコルです。
より具体的には様々なブロックチェーンやIPFSなどで相互運用可能なIDを要としたネットワークであり、今日のDeFiの発展などでその効果を垣間見ることができるオープンソースの原則をコンテンツ(アプリケーション)に当てはめることを目的としたプロジェクトです。
その意味でCeramicはdWebの文脈における基礎的な役割を担うことに注力しているプロジェクトと言え、以下のような目的を特徴としています。
  • 脱プラットフォーム|中央サーバーに依存しないアプリケーションの構築を目的としている。データストレージとしてCeramicを主に用いるが、EthereumコントラクトやIPFS、Filecoinなども利用可能
  • ドキュメント型のデータベース|分散型とは言え、IPFSのような静的なデータの保存、つまり保存すると変更できない、取り消せない、ではなく、従来のウェブ同様に変更可能な動的なデータ、コンテンツを安全に検閲耐性をもたせて保存可能にすることを目的としている。
  • 相互運用可能なアイデンティティレイヤーの提供|SSIの概念を踏襲するDIDの活用※DIDによってデータの更新や読み取り権限などを制御
つまり、従来の中央集権型データベースを分散化された代替手段に置き換えることでCeramicはよりプラットフォームレスなアプリケーション構築の場を提供することを主な目的としたプロジェクトと言えます。

なぜ中央サーバー依存ではない代替手段を必要とするのか|コンポーザブル・ウェブという概念

今日のインターネット上の情報のほとんどは、独自リソースとしてデータ保護するように設計されたアプリケーション固有のデータベースサーバーに保存されており、これらアプリケーションをトラストすることで今日のグローバルネットワークが成り立っていると言えます。

中央サーバー型のパフォーマンスの高さやそれ故の今日の発展を踏まえる必要はありますが、あえてその不便さだけを取り上げると、このようなネットワークは市場競争の観点からサイロ化が進み、ネットワーク内のデータへのアクセス許可、API連携の制限、返されるステートの正しさは信頼できる仲介者として機能する特定のアプリケーションへの信頼に依存するため、それゆえにネットワークは不透明となり、データ利用も限定的で開発者にとっては摩擦が多く、利用者にとっても不便とまでは言わないまでも理想的な体験とは言えない「重複と断片化」を許容する非効率なグローバルネットワークと化していることも事実と言えます。
このようなインターネットの非効率な側面に対する一つの選択肢としてCeramicをはじめとするプロジェクトが取り組むdWebという考え方があります。その主な目的は参加者が検証可能なデータを保存し、すべてのアプリケーションで普遍的に発見、アクセスできるような柔軟な公共インフラを構築し、識別子、それに関連するデータ、およびサービスをサイロ化されたアプリケーションサーバーではなくパブリックドメインに置くことでウェブ上のすべての参加者がアクセスできるようにすることです。
このモデルでは、ユーザーがより多くの権限を持ちコントロールできるようになるだけでなく、開発者の作業も簡素化されます。その結果としてどのようなインターネットの姿になるのかは、Gitのバージョン管理によって実現したオープンソースソフトウェアやDeFi(分散型金融)のようなブロックチェーンによる二重支払い保護によって実現したオープンソースの金融システムがある程度代弁していると筆者は考えています。Ceramicではこのオープンソースの原則をコンテンツに当てはめたコンポーザブル・ウェブの実現を試みています。
本レポートではコンポーザブル・ウェブの実現に必要な要素の解説、Ceramic Networkの概要、およびそのユースケースを概観します。

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