「DeFi市場のクジラとして振る舞うDAO群」特集
2022年03月11日
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「DeFi市場のクジラとして振る舞うDAO群」特集
従来の株式、暗号資産市場を理解する上でその動きを欠くことがでいなかった主体といえば機関投資家ですが、それに対してDeFi市場は市場参加者としてのDAOの存在はもはや欠くことはできないほど市場での存在感が大きくなってきました。
スマートコントラクトで資本を管理し、その使途をコミュニティが管理するというthe DAO(genesis DAO)以降脈々と受け継がれるDAOの基本設計は様々な文脈で枝葉をつけて再解釈、再構築されていますが、その進化の系統の中に「DeFi市場のクジラ」として振る舞うDAOが含まれていることは間違いありません。
その存在を世に大きく知らしめた出来事がCurve 、Convex Warであり、インターネットスケールの集合知を用いた高度な専門性を持つDeFiプロトコルDAO群による〜Warという言葉とともに昨今のDeFiトレンドを牽引してきました。
このトレンドは知恵と資本を集積したインターネットスケールのコミュニティが市場に影響を与えるという意味では、2021年初頭にウォール街の金融エリートを混乱させたredditの株取引コミュニティ「WallStreetBets」を彷彿とさせますが、DAOの場合は管理するプロトコルとオンチェーン上のネイティブトークン、資本管理するトレジャリーコントラクトをもち、その価値の最大化を目的に振る舞うという点で異なります。
我々一般的なエンドユーザーがこのトレンドに対して着目するのはプロトコルの収益構造とトレジャリーコントラクトの中身であり、どのDAOが何を目的にどこのDAOのネイティブトークンをいつ購入、売却し、どれくらい保有しているかということです。これらは全てオンチェーンで取引が完結しているためEtherscanのようなエクスプローラーやNansenのようなオンチェーン分析ツールを用いてその動向を捉えることができます。
例えばCVXの保有比率をEtherscanとNansenで確認するとそれぞれ以下のように表示され、各保有アドレスのオンチェーン履歴を誰もが閲覧することができますので、分析材料として活用することができます。
【関連レポート】
以上の保有アドレスのなかに異なるプロトコルの存在が確認できるかと思いますが、このうち[Redacted]cartelのトレジャリーが含まれていることがわかります。それを保有している理由は以下のレポートに詳しいですが、オンチェーン上の情報を頼りに取引履歴を観察し、なぜ他のプロトコルDAOがそれを保有するのかをその仕組みから理解することが市場参加者としてのDAOの影響力が増すほどに重要な視点になってきます。また従来の個人投資家であるクジラとは異なり、その振る舞いの動機を比較的推察しやすいということもプロトコルDAOの動向が重要視される理由になるでしょう。
このトレンドをよりよく理解する上では以下のFraxFinance(FXS)とTokemak(TOKE)関連のレポートがおすすめです。FXS、TOKEともに他のプロトコルDAOに保有されているネイティブトークンであり、それぞれに蓄積される理由があります。今回ご紹介するレポートとともにオンチェーン情報も同時に参照し、その理由を推察するためのご参考にしていただければと思います
【紹介レポート一覧】
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