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Evernym,Incの概要|オープンソース&オープンスタンダードをモットーとするVerifiable Credential(VC)プラットフォーム

2021年06月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Evernym概要
  • Evernymの製品群
  • Evernymのビジネスモデル
  • 総論

前提

本レポートではSSIベースのデジタル認証技術の開発を進めるEvernym,Incを概説します。
Evernymは2013年創立以降、「オープンソース」「オープンスタンダード(つまり相互運用性を重視)」、これらの言葉をモットーにSoverin FoundationやHyperledgerコミュニティへ積極的に関与しながら自己主権型アイデンティティの普及活動を行ってきた営利企業です。本レポートではEvernym,Incの概要、提供する製品群、ビジネスモデルについて概説します。
SSI(自己主権型アイデンティティ)の概念、およびDID、VCなどの基本コンポーネントについては以下の関連レポートを参考にしてください。

Evernym概要

Evernym,Inc 基本情報

社名:Evernym,Inc
本社:米国 ワシントン州シアトル 98101
事業内容:SSIをベースとするデジタル認証関連のソフトウェア、アプリケーションを開発
創立:2013年
上場の有無:非上場(2021年6月時点)
特許取得:あり
Webサイト:https://www.evernym.com/
Twitter:https://twitter.com/evernym
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/evernym-inc-
Evernym,Inc(以下Evernym)はSSIベースのデジタル認証システムを開発する非上場の営利企業です。個人、組織、モノの識別とそれらの間での信頼できるピアインタラクションを可能にする次世代IDインフラストラクチャの構築を目指しています。
創立当初よりSSIの概念とその実現を目的にオープンソース、相互運用性を重視した活動を続けており、SSIベースのデジタル認証関連市場の開拓に積極的に関与、貢献している代表的な企業の一社と言えます。以下同社が市場開拓のために貢献してきた代表的な取り組みを列挙します。
  1. 2016年にアイデンティティのための初の公開台帳となるSovrin Networkを発明し、 最初のコードを非営利団体であるSovrin Foundationへ寄付
  2. W3CクレデンシャルコミュニティおよびDIFと協力してDIDの基本コンポーネントであるDecentralized Identifiersの標準規格の共同考案
  3. Hyperledger Indyの元となるオープンソースコードの寄付
これら3つの活動は同社の事業を成立させる上で不可欠な市場環境を整えるためであったと考えられます。活動背景を以下整理します。
  1. オープンソースの分散型台帳技術の必要性|営利企業ではなくSovrinという非営利団体のもとで管理される分散型台帳技術により、SSIのビジョンに毀損せずに消費者がオンライン上で自身に紐づくデータを制御可能になります。
  2. 標準規格の必要性|SSIが持つデータポータビリティという特性はIDウォレット、分散台帳、ソフトウェアの如何を問わずに相互運用可能であることで、その潜在的価値が高まります。分散型識別子の規格標準化により、誰もがどこでも利用できる効率的なデータ活用が実現します。
  3. 開発者コミュニティの必要性|新しい技術が広く採用されるには、活発な開発者コミュニティの存在が鍵になります。※オープンソース開発の利点は古典的エッセイ「伽藍とバザール」が参考になります。
    関連レポート:『伽藍とバザール』を今読む。暗号通貨・ブロックチェーンとオープンソース
以上の1.分散台帳、2.標準規格、3.コミュニティという3つの要素が機能しなければ、同社事業の対象領域となるSSIベースのデジタル認証市場の認知拡大と実利用は怪しくなりますので、そもそもの事業環境を育てる活動に積極的に貢献しているのだと推察されます。

資金調達状況

参照:https://www.evernym.com/about-evernym/
Evernymは営利企業ではありますが、上述のような未成熟な市場の開拓や技術開発のために資金調達を執筆時点で過去3回実施しています。
調達額が不明なラウンドもあるため、正確な数値ではありませんが少なくとも2017~2019年の間に$16.5 million(1,650万ドル)を調達しています。
このレポートはPro会員限定です。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。

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