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オープンファイナンスの急成長プロダクト、Ondo FinanceのUSDYとOUSGの概要

2024年10月09日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 導入
  • Ondo Financeの概要
    • USDYの概要
    • OUSGの概要
    • コントラクトの監査状況
    • ONDOトークノミクスとユーティリティ
  • Ondo Financeがユーザーへ提供する価値と将来性に関する考察
  • 総括

導入

Ondo Financeは、機関投資家レベルの金融商品とサービスに、オンチェーンでアクセス出来ることを目指すプロトコルを開発するプロジェクトです。
ユーザーは、KYC/AMLのプロセス後にこの金融商品を購入することができ、Ondo Financeではホワイトリストされたアカウントにのみトランスファーすることができます。
もともとOndo Financeは、2021年当時に固定金利レンディングプロトコルを開発していました。現在では、ピボットして伝統金融をトークン化することに注力しています。
このようなブロックチェーンの特性と伝統金融を融合する領域は、DeFi(分散型金融)とは区別して、オープンファイナンスと呼ばれ、DeFiの匿名性や許可不要な性質を取り除くことで、投資家保護、マネーロンダリング等の防止を図るジャンルとして近年発展をしています。
Ondo Financeは、この領域のプロジェクトとして2024年4月以降より急速に成長し、対応ネットワークのTVLが増加傾向で6億ドルを超えています。

https://defillama.com/protocol/ondo-finance


なぜ、DeFiの世界でオープンファイナンスの需要が高まったのか。
その要因は、DEXでの取引手数料や流動性マイニングで配布されるガバナンストークンの価格低迷により、米国債の利回りにオンチェーンでアクセスすることが合理的な状況であったこと、機関投資家や大口の投資家が参入できる機会を作り投資を呼び込もうとしている、という背景が考えられます。
Ondo Financeは、短期米国債と銀行当座預金で担保されたトークン化された債券であるUSDY(USD Yield)、およびBlackRockのBUIDLやFedFund (TFDXX)などに投資するOUSG(Ondo Short-Term US Government Treasuries)の主に2つの商品を提供しています。
また、Ondo Financeは、ガバナンストークンであるONDOを発行してます。CoinGeckoによれば、執筆現在で時価総額は約10億ドルでランキング80位にあり、直近1ヶ月では右肩上がりに推移しています。

https://www.coingecko.com/en/coins/ondo


さらに、OndoはいわゆるRWA(Real World Assets)銘柄とされ、2024年Q2〜Q3にかけて継続的に検索トレンドを形成しており、投資家からの注目度も持続的にあります。
関連レポート

本レポートでは、Ondo Financeが提供するUSDY、OUSGの概要を解説し、その仕組みを紐解くことでOndo Financeの将来性を考察します。

https://ondo.finance/
結論としては、オープンファイナンスは、規制対応を重視する機関投資家や大口投資家の参入しやすい環境を整備し、かつオンチェーンの効率性や透明性、改ざん耐性などを活用するビジネス機会として認知がより一層広がる可能性があります。このような動向において、Ondo Financeはこのカテゴリーを代表するプロジェクトとして存在感を発揮するのではないかと考えています。
なお、本レポートを理解するうえで、Ondo Financeと密接に関連し、カテゴリー最大の資産総額であるBlackRockのBUIDLを解説したレポートがありますので、併せてご覧いただくことでより理解が深まるはずです。

Executive Summary

  • Ondo Financeは、伝統金融資産をトークン化し、ブロックチェーン上で提供するプロジェクト
  • 主なプロダクトは、短期米国債や銀行当座預金に裏付けられたUSDYとOUSGであり、安定した利回りを提供
  • USDYは、短期米国債と銀行当座預金で裏付けられたトークン化債券であり、米ドル建ての安定した利回りを提供
  • OUSGは、BlackRockのBUIDLを含む米国政府の短期国債に投資するトークン化ファンドで、24時間取引可能
  • 課題は、適格性や投資家認定、KYC/AML要件によるアクセス制限があり、DeFiの自由さが制限されている点。加えて高リスク・高リターンを求める投資家にとって、安定した利回りは十分な魅力とならない可能性があるが、低迷するトークン市場・価値提供するユーザー層の相違は、普及を妨げる要因になるとは考えにくい
  • 今後トークン間の交換性向上や流動性の強化によって、市場全体での採用が加速する可能性がある。これらの商品は、機関投資家や富裕層の参入を促進し、オープンファイナンス市場の成長に寄与することが期待される

Ondo Financeの基本情報リンク
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