Web5の技術概要と思想の考察|DID・VCを活用したtbDEXとクリエイターアプリZIONの仕組みとポイントを解説
2023年01月09日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Web5の技術概要|Decentralized Web Node
- DWNの応用例|tbDEXのポイントを解説
- Lightning Networkの活用|クリエイターアプリZION
- 【考察】インテンション・エコノミー
- 総括
前提
本レポートではWeb5の技術概要を解説し、SSIの根本思想を考察します。概要については下記レポートをご参照ください。
“Jack Dorsey氏によって組成されたTBDが開発を進めるWeb5とは(Web2),(Web3)=(Web5)という発想で名付けられたものです。その意図するところはWeb3に欠けていたIDレイヤーをSSI(自己主権型アイデンティティ)の概念を踏襲したオープンなIDレイヤーでWeb3を補完するというものです。”
関連レポート:Web5をはじめとするGlobal Verification Network入門【前編】|Web5の概要、SSI/DIDの基礎、主なユースケース
(参照:https://hashhub-research.com/articles/2022-06-22-global-verification-network-1)
(参照:https://hashhub-research.com/articles/2022-06-22-global-verification-network-1)
Web5はDID、VC、Decentralized Web Node=DWNという3つのコンポーネントで構成されています。DID・VCは注目されつつありますが、DWNは仕様が定まっていないこともあり実態がみえない状況にあります。
しかしDWNが実現すれば、DIDを識別子としたノード間の通信による商取引が成立するなど自己主権的なネットワークが生まれる可能性があります。
これが意味することは、マーケティング広告による売り手主導のアテンション・エコノミーから、買い手の希望が尊重される自己主権的なインテンション・エコノミーへの転換と考えています。
Decentralized Web Nodeの利用例を参照しながらDID・VCの仕組みを理解し、tbDEX、ZIONなどの具体例からWeb5を説明します。加えて企業とユーザーのメリットについてまとめます。
[Executive Summary]
- Web5はインターネットにIDレイヤーを構築する。コンポーネントとしてDID、VC、Decentralized Web Node=DWNがある。
- DIDを識別子としてユーザーと事業体がDWN間で通信することで分散性を保ち、VCを活用することで規制に準拠したかたちで取引が行える。
- オープンなIDレイヤーを分散型ソーシャルネットワークに適用すると、プラットフォームではなくユーザーに主権がある状態を表現できる。
- tbDEXやZIONといった具体例からSSIと関わりのあるインテンション・エコノミーを考察し、DID・VCが企業とユーザーにもたらすメリットをまとめる。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。