Osmosisの概要 分散型取引所に特化した独自ブロックチェーン
2022年09月27日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Osmosisの概要
- 流動性プールの高いカスタマイズ性とガバナンス
- 独自ブロックチェーンならではのユーザーエクスペリエンス
- 他のブロックチェーンとの相互運用性
- Superfluidステーキング
- CosmWasmの実装
- MEV耐性
- OSMOトークンの概要
- ユースケース
- トークンディストリビューション
- Osmosisの成功の要因、なぜCOSMOSエコシステムを牽引しているか
- 総括
前提
本レポートでは、分散型取引所に特化した独自ブロックチェーンのOsmosisの概要について解説します。
OsmosisはDPoSをコンセンサスメカニズムとする分散型取引所特化のブロックチェーンです。ユーザーは他のブロックチェーンから資産をOsmosisブロックチェーンに移動させて、Osmosisブロックチェーン上で取引したり流動性提供ができます。
Osmosisのブロックチェーン自体はCOSMOS SDKを用いて開発されています。COSMOS SDKはアプリケーション開発者が独自ブロックチェーンを開発するためのツールセットで、アプリ開発をEthereumなどのブロックチェーン上で行うのではなく、独自ブロックチェーンをデザインできます。
COSMOS SDKを元に作られた独自ブロックチェーンがIBC(Inter Blockchain Communication)で相互運用性を保持しているのがCOSMOSの特徴です。COSMOSそれ自体はブロックチェーンではなく、様々な独自ブロックチェーンを接続するエコシステムのようなものです。
また以前に執筆したレポートでは、2022年のトレンドの一つはアプリケーション独自ブロックチェーンであると述べました。SubstrateやAvalanchのSubnetの仕組みを用いて規模の大きいDeFiやGameFiのプロジェクトの独自ブロックチェーン化が起こっており、アプリケーション開発者にとって独自ブロックチェーン化は1つの有力な選択肢になりつつあります。
関連レポート:2022年Q1における5つのDeFiトレンド
その中でもOsmosisはアプリケーション独自ブロックチェーンモデルの1つの成功例です。執筆時点で流動性は$251Mです。
UniswapやCurveなど単体分散型取引所と比べても第5位の規模となっています。
また以下は、COSMOS SDKで作られた独自ブロックチェーン間でのIBCトランザクション(相互通信トランザクション)の量をビジュアライズしたものですが、OsmosisがCOSMOSエコシステムの中心地になっていることが分かります。
今回はOsmosisの概要を解説して、後半ではOsmosisの成功の要因、なぜCOSMOSエコシステムを牽引しているかの解説を行います。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。