「SBTを批判的に捉える」特集|NFT≒「私はそれを所有している」、SSI≒「私は何者である」、SBT≒「???」

目次

  • 「SBTを批判的に捉える」特集

「SBTを批判的に捉える」特集

【紹介レポート一覧】
  1. Soul Bound TokenとDeSocの概要|SBTの事例やSSIとの比較からDeSocを紐解く
  2. Web5をはじめとするGlobal Verification Network入門【後編】|Disco、Gitcoin passportにみるVCのユースケースと将来像

「SBTを批判的に捉える」をテーマにデジタルID関連のレポート計2本ご紹介致します。一つはSoul Bound Token(SBT)に関連するレポート、もう一本はSSI/VCに関連するレポートです。
SBTとは何か、ざっくりと表現するならばアカウントにくっついて離れないNFT。つまり譲渡不可能なNFTです。譲渡はできませんが取り消すことはできます。詳細については今回の紹介記事①をご参考ください。
今回の紹介記事①に記載の通り、SBTはDeSoc(分散型社会)を理念にさまざまなユースケースが検討されており、その有用性が現在進行形で検証されています。
今回のテーマに「SBTを批判的に捉える」を掲げた通り、本記事の目的はSBTを再検証しその有用性、使いどころを再考するきっかけを作ることです。
なおSBTを否定したいわけではなく、SBTにも得手不得手がありますから利点のみ掲げた主張を鵜呑みにするのではなく、トークンの性質を批判的に捉えた上でユースケースを理解しましょうという提案です。

NFT≒「私はそれを所有している」、SSI≒「私は何者である」、SBT≒「???」

SBTは譲渡可能なNFTやVC(Verifiable Credential)と同じデジタルIDの文脈で用いられる用語ですから似たようなものとして混同されやすいこともあります。が、しかしその性格はやはり異なります。
わかりやすい言葉に一度置き換えて整理してみましょう。
  • NFT≒「私はそれを所有している」
  • SSI(VC)≒「私は何者である」
  • SBT≒「???」
譲渡可能なNFTは一般的にアセットの所有証明に用いられます。つまり、「私はそれを所有している」を表すものです。それに対してSSIの文脈に現れるVCは「私は何者である」を証明するために主に用いられます。

ではSBTとはなんでしょうか。例えばデジタルIDの文脈でのSBTは特定の主体や個人によって発行され、さまざまな個人情報をアカウントに紐づけることが提案されていたりもします。つまりVC同様に「私は何者である」を証明するために用いようとしていると考えられます。SBTはNFTと比較すると譲渡不可能な性質を持つためにデジタルIDとして用いる上でのセキュリティレベルが高まっていると考えられるが故です。
とは言え、DeSoc(分散型社会)を理念にして誕生したSBTはデータのオンチェーン公開を前提にしているため個人の行動を他者に公開することにも繋がり、プライバシーに関する捉え方に関してはVCとは真逆のアプローチです。SBTが意図しないプライバシーの危険性を孕んでいることは確かですから、プライバシー喪失による危険の可能性がなく、かつ公開すると有用性が高まるユースケースがSBTには好ましいと言えます。

例えばVCの場合は一方的にデータの受け渡しを行いますが、SBTの場合は公開されたデータに基づいて社会を運用するため、それがプラスに働く場合にはSBTで表現する方が適していると言えます。ただし、上記に当てはまらず、公開する必要性もないユースケースであればVCの方がベターなケースもあります。
SBT、VCそれぞれの視点からの主な批判をザッとまとめます。
  • SBTからVCに対する主な批判|一方的にデータの受け渡しをするより公開されたデータに基づいて社会を運用する方が利益がある(参考:紹介記事①)
  • VCからSBTに対する主な批判|パブリック公開がデフォルトであるため中国式監視社会のような個人のプライバシーが危険に晒される社会につながる懸念がある。
プライバシーは失われて初めてその危険に気づいたりするものでもありますからSBTに紐づけるものには注意が必要です。一方でその懸念がないユースケースの場合には新しい社会を構築する道具となる可能性も秘めていると言えるでしょう。
【紹介レポート一覧】
  1. Soul Bound TokenとDeSocの概要|SBTの事例やSSIとの比較からDeSocを紐解く
  2. Web5をはじめとするGlobal Verification Network入門【後編】|Disco、Gitcoin passportにみるVCのユースケースと将来像

HashHubについて

株式会社HashHubはブロックチェーン技術に特化しプロダクト開発、調査・コンサルティングを行っています。東京大学周辺エリアを拠点にブロックチェーンのスタートアップ・開発者が集うコワーキングスタジオHashHubを運営。日本と海外、また他業界をつなぐハブになることを目指し事業を展開しています。

※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。

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