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プロトコルが管理する流動性について

2021年11月02日

目次

  • 前提
  • 流動性の供給方法とリクイディティーマイニングの問題点
  • プロトコルがコントロールする流動性
  • 総論

前提

プロトコルが流動性を捉えるための手段としてのリクイディティーマイニングは、ユーザーに流動性を提供してもらう対価として、ネイティブトークンを付与するというインセンティブを与えることで流動性のブートストラップを実現しています。
しかしながら、リクイディティーマイニングには次のような問題点もあります。
  1. Impermanent loss(IL)の発生リスク
  2. プロトコル間の終わりのないAPYインセンティブ競争
  3. 流動性提供者とトークン保有者の間で利害の不一致が発生
  4. インフレによるトークン保有者に対する実質的なコスト負担
上記の問題点を鑑みると、リクイディティーマイニングという方法はプロジェクトの立ち上げ時にネイティブトークンの流動性を確保する目的やディストリビューションの手法としては機能するものの、長期的な観点ではプロトコルにとっては必ずしもベストプラクティスではないということが昨今は認識されつつあります。
そのような問題点の解決策として、TokemakやOlympus DAOはプロトコルが保有/コントロールする流動性(protocol owned/controlled value)という方法で解決策を提示しています。
両プロジェクトは長期的な解決策は概ね類似していますが、最終的に至るまでの過程とその方法論が異なっています。その違いは流動性の提供に対するコミットメントの差となります。すなわち、前者はコミットメントが中期的であるのに対して、後者は長期(半永久的)の流動性提供という違いになります。
このレポートでは、プロトコルがコントロールする流動性とはなにか、リクイディティーマイニングの問題点とその違いについて解説します。
なお、本レポートではOlympus DAOとTokemakについて頻繁に言及しますので、下記レポートを事前にご覧いただくとより理解が深まります。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。