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Olympus DAO DAOによる中央銀行システム

2021年09月25日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • ネイティブトークンOHM
  • OHMの発行メカニズム(Bond)
  • トレジャリー(プロトコル)が保有する流動性
  • 総論

前提

現在のDeFiエコシステムの問題点は、中央集権な中央銀行が決定するマネタリーポリシーに通貨の価値が左右される中央銀行制度から解放されるために誕生した暗号資産であるにもかかわらず、ドルの価格にペッグしているステーブルコイン(USDT, USDC, DAIなど)に依存していることです。
ステーブルコインが多く利用されるのは、ビットコインやイーサリアムのような暗号資産よりも価格の変動性がなく、ユーザーが価値の保存性を望むからにほかなりません。現状では、ステーブルコイン以外にそのようなニーズを満たす通貨はありません。
Olympus DAOはそのような問題を解決することを目的とした、マネタリーポリシーをDAOでコントロールし、準備通貨の発行をおこなうプロトコルです。端的にいうと通貨の発行権を有している中央銀行のような仕組みをDAOにて運営・管理することで、通貨発行権の権限や責任者を分散化しています。こうすることで実質的に変動相場制を採用する通貨を非中 央銀行が発行することが可能な仕組みを構築しています。
なお、ネイティブトークンであるOHMは、あくまでも変動相場制を採用した通貨であり、ステーブルコインではないことに注意が必要です。
このDAOは、3つの要素により成り立っています。すなわち、①ネイティブトークンであるOHMは通貨、DAOのガバナンストークンやシニョリッジ(通貨発行益)を受け取る権利としての性質を有し、②OHMをディスカウントで売却することでトレジャリーの財源を調達(Bond)、➂LPの権利(トークン)をボンドによりトレジャリーが購入することで流動性を提供してバンクラン(取り付け騒ぎ)に備える、というメカニズムによります。
Olympusがリリースされてから数ヶ月しか経過していないにもかかわらず、マーケットキャップは約10億ドルまで拡大しており、DAOが管理するトレジャリーの総金額も約1.5億ドルまで増加しています。
また、様々なレンディングプロトコルやステーブルコインとも提携をしています。
本レポートではOlympus DAOについて解説をします。
公式Webページ:
https://www.olympusdao.finance/
ドキュメント:
https://docs.olympusdao.finance/
アプリケーション:
https://app.olympusdao.finance/
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。