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「トークンエアドロップ」特集

2021年09月10日

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「トークンエアドロップ」特集

執筆時点の2021年9月10日現在、古参DeFiプロトコルであるdydxがトークンエアドロップ、俗に言うDeFi給付金の配布を実施したことが話題となっています。
これまでにもさまざまな分散型を志向するプロジェクトがトークンエアドロップを実施していきましたが、その中でも給付額のインパクトが大きく多くの人の記憶に未だ残るのはUniswapによるUNIの配布でしょう。この時は初期ユーザー(1アドレス)につき最低400UNIが配布され、執筆時点でのUNI価格24ドルで換算すると9,600ドル分が配布されました。この出来事が2020年の9月と丁度一年前の出来事です。

それからおよそ一年後の現在、dydxが初期ユーザーに対してトークンエアドロップを実施しています。dydxは証拠金取引プラットフォームであり、それ故にハードルが高いと感じたユーザーも多くいた可能性はありますが、数ドルデポジットしていたユーザーに対しても最低310DYDX、1ドル以上トレード実績があるユーザーに対しては1,163DYDXが配布対象となっており、実はそれほどまでにハードルが高いものではありませんでした。※ただし別途下画像右端のClaimマイルストーンは設定されてはいます。

参照:https://dydx.foundation/blog/en/introducing-dydx-token
執筆時点のDYDX価格13ドルで換算すると前者がおよそ4,000ドル、後者がおよそ12,000ドルです。そして$1M以上を取引していたユーザーは9,529DYDXとおよそ124,000ドル(日本円で1,000万円以上)が給付されています。
これまで実施されたトークンエアドロップは古参プロジェクトによるもの、新規プロジェクトによるもの、Ethereum上のもの、別のチェーンのもの、それは必ずしもDeFiプロトコルに限定されるものでもなく、Axie InfinityのようなBlockchainゲームなど多様な領域で同様の手法が模倣されています。
これらは初期ユーザーへの還元を目的にしたシナリオを建前に実施されるようになり、それ故にこのシナリオを理解したユーザーは俗に「給付金ムーブ」と呼ばれるその建前を形骸化する行動を促すことにも繋がりました。ただし、この行動自体は潜在的期待による認知獲得というマーケティング戦略として一定の成果をあげており、この効果によるリターンがプロジェクトにとってプラスを示す限りは同様の事例がまだ続く可能性はあるでしょう。
とは言え、ユーザーの立場で給付金ムーブを手当たり次第に行うことが現実的な戦略なのかは悩ましく、これまでにそのシナリオを背後で描いてきたVC等のプレイヤーを理解することや、この業界の中長期的な動きを読み、複数の仮説を立てて行動する方が自然とも言え、心身ともに健全でいられるのではないかとも筆者は感じます。
最後にトークンエアドロップの流れをより良く掴んで頂くうえでおすすめしたいレポート計2本をご紹介します。

【紹介レポート①】
DeFiをはじめとしたトークンのエアドロップの解説 エアドロップ狙いのユーザーはどう行動すればよいか

なぜプロトコルは独自トークンのエアドロップを行うのか、その動機を理解し、どう振る舞うか、そしてこの動向が将来どういう傾向を示す可能性があるのかを解説したレポートです。

【紹介レポート②】
新しいエアドロップ・新規ブロックチェーンのトークンのディストリビューション手法の考察 Lock Drop / WorkLock / Liquid airdrops

2019年春の時点でのトークンエアドロップモデルの変遷と多様化を解説したレポートです。以前のエアドロップ手法と現在の手法を比較して読み解く上でご参考ください。

※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。

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