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Energy Web Chainのグリーン電力証書の取り扱いを概観する

2020年03月31日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • グリーン電力市場を概観する
  • Energy Web Chain×グリーン電力証書
    • ブロックチェーンを使う理由と座組
    • ブロックチェーンのローカライズを可能にするインフラとDApps開発環境の提供
    • 証書の発行組織との関係
  • 総論

前提

本レポートではEnergy Web Foundation(EWF)がタイ石油公社と共に開発を行っているグリーン電力証書のマーケットプレイスをブロックチェーン上で構築するプロジェクトを概観します。
こちらは去年の9月にEWFからリリースがありましたが、詳細は公表されていません。そこで、本レポートでは弊社が行ったEWFの担当者からの取材も踏まえて、ブロックチェーンの活用方法や各国での座組の考え方をまとめます。

ブロックチェーンを使った電力のP2P取引に関しては、同社のEnergy Web Chainや業界全体の概観、EWFとも取引のあるLO3社の最新情報を去年の後半から3本配信しています。
*レポート:電力系のコンソーシアムチェーン「Energy Web Chain」の概要
https://hashhub-research.com/articles/2019-10-24-energy-web-chain-overview
*レポート:期待されるP2Pの電力市場とブロックチェーンの背景、概略、課題
https://hashhub-research.com/articles/2020-01-23-p2p-energy
*レポート:LO3 Energy概要 電力をP2P取引にブロックチェーンを利用するパイオニア企業
https://hashhub-research.com/articles/2020-01-23-lo3-energy
まずグリーン電力についてですが、これは環境に優しい電力を指しますが定義は複数あります。日本では非化石証書、グリーン電力証書、Jクレジットがあり、それぞれ異なる組織・形態で運営されています。米国ではRECs(Renewable Energy Certificates)、ヨーロッパではGO(Guarantee of Origin)があり、その他にオランダに拠点を置くNPOによるI-REC(The International REC Standard)があります。

グリーン電力市場を概観する

各企業や電力会社が政府や国際機関からの要請に従って再生可能エネルギーの利用率を高めるには、①自社発電、②他社からの供給、③グリーン電力証書の購入があり、本レポートで扱うのは③です。
例えば、再生可能エネルギーの利用率を全体の10%に引き上げたいが、何らかの理由で再生可能エネルギーの供給ができない工場を稼働させている場合、使用電力の10%に相当するグリーン電力証書を購入することで、間接的に再生可能エネルギーを利用したことにできるという仕組みです。電力そのもののP2P取引と大きく異なるのは、①産業利用のためではなく政治色が強いこと、②電力自体をやりとりするわけではないので送電網が必要ない点です。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。