ReFi完全解説:カーボンクレジット市場とブロックチェーン(前編)
2023年03月30日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- ReFi(リファイ)とは
- カーボンオフセット・カーボンクレジットの概要と課題
- Web3での取り組み: ダブルカウント対策
- 前編 まとめ
ReFi(リファイ)とは
Regenerative Finance (リジェネラティブ・ファイナンス)は、温室効果ガス(GHG)やプラスチックごみの排出削減量、再生エネルギーなど、地球環境保全に関わる商品をWeb3上で取引・管理しようとするムーブメントです。略してReFi (リファイ)と呼ばれ、日本語では再生金融と訳されます。
ReFiプロジェクトのほとんどは温室効果ガス(GHG)の排出削減量取引にフォーカスしています。この排出削減量の取引単位をカーボンクレジットと呼びます。企業はカーボンクレジットを購入し、その分の削減量を自社の総排出量から引いて実質排出量とします。この活動は、どこかで削減されたGHGで自社の排出量の一部を相殺(オフセット)するので、カーボンオフセットと呼ばれます。
プラスチックごみの回収や海洋資源の保護に関するReFiプロジェクトも散見されますが、GHG関連に比べると規模もシステムもまだまだといったところです。一方、Climate CollectiveやGitcoin、Filecoin Greenといった、ReFiプロジェクトに資金提供を行うコミュニティやDAOは数多く存在します。
カーボンクレジットやカーボンオフセットという構想自体はWeb3に由来するものではなく、Web2ですでに発行母体や取引が存在します。しかし、これらにはブロックチェーンの記帳技術や分散性が活きるポイントがいくつかあるため、ReFiという名称でいま注目を集めています。
本レポートでは、前編・後編の二本立てでカーボンクレジット/オフセットをテーマとしたReFiの全貌を解説します。カーボンクレジット市場の基本的な概要から入り、現状(Web2)の課題を示した後、ブロックチェーンがもたらし得る改善をいくつかのプロジェクトを例にとりながら紹介します。また、同市場での不正やその他リスク、さらにはReFiで発展した技術が将来別の分野や市場に利用されていく可能性なども考察します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。