UNDPがデジタル公共インフラとして公開したカーボンレジストリ|National Carbon Credit Registryの概要
2023年08月23日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- National Carbon Credit Registryの概要
- システムアーキテクチャ
- データベースアーキテクチャの補足:なぜ二つのデータベースを用いているのか
- 総括
前提
2023年8月、国連開発計画(UNDP)は「National Carbon Credit Registry」というオープンソースソフトウェアをデジタル公共インフラ(DPI)として公開しました。このソフトウェアは、各国が気候変動目標の達成に向けたカーボンクレジット取引をサポートすることを目的としています。
主な特徴:
- オープンソース: 各国が独自のニーズに合わせて情報を複製・適応することが可能。コスト削減と迅速な実装が期待される。
- 国際的ベストプラクティス: Digital4Climate (D4C) ワーキンググループの指導のもと、国際的なベストプラクティスに基づいて開発。
- 相互運用性: 各国のMRVシステムや国際的なデジタルシステムとの統合が可能。
- 改ざん耐性のある台帳システム: Amazon QLDBを使用し、透明性と完全性を確保。
開発途上国は、2030年までに気候変動対策のための6兆米ドル以上の資金を必要としています。従来、カーボンクレジット取引を対象とした各国独自の台帳システムを構築するためのオープンソースソフトウェアは存在していませんでした。この新しいナショナル・カーボン・レジストリは、そのような課題を解決し、気候目標の進展を加速させることが期待されています。
本レポートではUNDPがオープンソースソフトウェアとして公開した「National Carbon Credit Registry」を概説します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。