分散型ソーシャルメディアを理解する【後編】|分散型ソーシャルメディアが創造する新しいソーシャルプリミティブとは何か
2022年11月14日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Web3云々以前にWebとは何であったか
- では「Web3が紡ぐバリューグラフ」とはどのようなものなのか
- 「分散型」を冠しただけのメディアはノイジーになりがち
- Q:では分散型ソーシャルメディアは何によって情報を分類、集約するのか
- 「より小さな」、しかし「より濃密な」ネットワーク≠「高品質なコミュニティ」
- Q:分散型ソーシャルメディアが創造する新しいソーシャルプリミティブとは何か
前提
本レポート【前編】【中編】を通じて、分散型ソーシャルメディアの特徴、仕組みに触れてきました。前編では「運営会社ではなく、ユーザーがソーシャルグラフを所有する」ことを分散型ソーシャルメディアの特徴として挙げ、【中編】ではFarcasterを具体例に大まかな仕組みを概説しました。
今回の【後編】では分散型ソーシャルメディアが創造する新しいソーシャルプリミティブとは何か、この点を筆者考察を交えながら少しだけ掘り下げていきたいと思います。
Web3云々以前にWebとは何であったか
Mason Nystrom氏(上記ツイート)曰く、
Webとは情報をつなぐものであり、Web1はハイパーリンク等の技術により情報を関連づけることを実現し、Web2は人々の興味関心などをTwitterやFacebook等を通じてつなぎ、Web3は所有や価値をベースに紡がれるオーナーシップグラフを構築可能にする。
つまり、従来のTwitterやFacebook、電子掲示板、Google等の検索エンジンなどで構築される仮想ネットワークは共通の興味関心をベースしたつながりを構築する方法を提供し、ソーシャルグラフ(あなたが誰をどのように知っているかを示すグラフ)、インタレストグラフ(興味関心のあるトピックで構成されたグラフ)、ナレッジグラフ(知識、アイデアを示すグラフ)などをある種のバリューグラフとして分類、集約し、それを価値として提供してきたのだと主張しています。
Webが提供してきた価値とは何であったかを改めて問い直してみると、確かに同氏が述べるように「ある種の情報をつなぐ」ことがWebの根底にある価値の一つであるとも言えるのでしょう。
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