10/29〜11/11期間限定公開レポート「NFTゲーム経済圏は持続可能か」特集

目次

  • より多くの人に暗号資産・ブロックチェーンの知見を届けるために
  • 「NFTゲーム経済圏は持続可能か」特集|10月29日~11月11日の期間限定レポート

より多くの人に暗号資産・ブロックチェーンの知見を届けるために

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「NFTゲーム経済圏は持続可能か」特集|10月29日~11月11日の期間限定レポート

「10月29日~11月11日」の期間限定レポートは「NFTゲーム経済圏は持続可能か」をテーマに特集します。
※本記事ではPlay to Earnを謳うAxie InfinityをはじめとしたブロックチェーンゲームのことをNFTゲームと仮に称しています。
https://www.coingecko.com/en/coins/axie-infinity
Axie InfinityのネイティブトークンであるAXSはここ半年で約3ドルから執筆時点127ドルと大きく価格上昇し、発行済みAXS時価総額は約78億ドル、仮にこの時点での市場価格で全てのトークンが発行されると時価総額約340億ドル(約3.8兆円)です。
比較のために既存のゲーム会社時価総額を例に挙げると、任天堂(株)の時価総額は約6.4兆円、(株)バンダイナムコHDが約1.9兆円、(株)サイバーエージェントが約1兆円、コナミ(株)約9,000億円です。
Play to Earnは「稼げるクソゲー」という言葉で揶揄される側面もありますが、2018年あたりにはじまった新興ゲーム会社がこの数年で既存ゲーム会社時価総額ランキングの上位ランカーに匹敵するほど急成長しているという事実を改めて目の前にすると、「ゲームとして面白くない」という理由だけで向き合わないというわけにはいかなくなってきたのではないかと筆者は感じています。
これはあくまで筆者の私見ですが、従来のゲームは「面白いから夢中になる」、NFTゲームは「稼げるから夢中になる」とこれまで安直な理解をしていましたが、どちらにしても「何かしら欠けているものを埋めたくなる欲が働く」という点では同じではあり、つまりその何かしらが満たされるとつまらないものとなり、飽きるという点は同じだとすると、従来のゲームと比較して、経済的利益を求めるゲームは例えゲームとしてつまらないものであったとしても、経済的な欲を満たし続ける限りは持続性があるのかもしれません。
現在賛否両論ありながらも供給過多になりつつあるNFTプロジェクト群の持続可能性を危ぶむ声も聞こえる中で、Play to Earnを謳うNFTゲームがどのようにして持続可能な経済圏を構築しているのか、その設計に今回は着目します。
例えば、Axie Infinityの経済圏を大雑把に解釈すると大きく以下の2軸で経済が回っていることに気がつきます。
  1. 【SLPの新規発行】ゲームをプレイしてSLP(Smooth Love Potion)トークンを稼ぐ市場
  2. 【SLPのバーン】Axiesを繁殖させて市場で売却益を得るブリーダー市場
※SLP(Smooth Love Potion)トークンはAxie Infinity経済圏で使用されるトークンです。
前者は1日あたり最大600SLPを稼ぐことができるプレイヤー市場です。執筆時点のSLP市場価値0.063ドルですので約40ドル/日ですが、これはトッププレイヤーの収益であり、平均的なプレイヤーは1日あたり200~400SLPの収益が期待できます。1日10~40ドルのために必要な時間を消費することは、多くの人にとって価値がないものと感じられるかもしれませんが、Axie Infinityには保有者が利用していないAxieを他のプレイヤーに貸し出すScholarships制度というものがあります。Axie保有者が実際に時間を消費してプレイをしなくても、保有しているAxieを他のプレイヤーに貸し出して、プレイヤーと収益を75/25や50/50の比率で折半して獲得することができるため、Axieはインカムゲインが期待できるデジタル資産としての価値があります。
後者のブリーダー市場はAxie Infinityの中で最も収益性の高い市場であり、中上級ブリーダーは週に0.2~1ETHほどの収益を期待できます。この繁殖にはAXSとSLPの両方を消費します。
https://www.axieworld.com/en/economics/charts?chart=slpIssuance
上図表はSLPの新規発行とバーンの推移を表したものですが、SLPトークンはゲームのプレイ報酬としてミントされ、Axieを繁殖することでバーンされます。つまりSLPの市場価格はこの2軸のバランスの影響を受けて成り立っているということです。先月9月の出来事としてSLPの価格下落を抑えるための施策として、繁殖時のSLP消費量を2倍に増加させるということが行われましたが、このように未だ外部操作を必要とする市場でもあるため、執筆時点でのAxie経済圏には持続可能性があるとはまだ言い切れません。
とはいえ、NFTゲーム経済圏の構築は未だ発展途上ではあり、Axie Infinityに限らずそれに続くようなNFTゲームが今後勃興し、異なる形でのゲーム内トークン供給量の調整方法は今後も模索されるものと予想されます。NFTプロジェクトの経済的な持続可能性は今後も問われることにはなるかと思いますが、その時にゲームを用いた経済圏の事例は一つの答えとして参考になるのではないかと筆者は感じています。
今回の期間限定記事では「NFTゲーム経済圏の持続可能性」を理解する上で参考となるレポート計2本を無料会員様向けに公開致します。

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