医療分野におけるSSI(自己主権型ID)携行可能な健康データと社会の変容
2021年03月23日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- HIS(Healthcare Information System)の概要
- EMR(Electronic Medical Record)
- EHR(Electronic Health Records)
- PHR(Patient Health Record)
- 患者のプライバシーとセキュリティを守りながら、患者のデジタルデータをどのように利用するか
- 医療分野におけるSSIのユースケース
- SSIoTと医療|スマートデバイスが取得する個人情報とその利活用
- 新型コロナウイルス感染拡大により着目されたSSI活用事例|embedded health普及の可能性
- 総論
前提
本レポートでは医療分野におけるSSI(自己主権型ID)のユースケースを概観し、また近年の新型コロナウイルス禍を背景にして生まれてきたポータブルな健康データとそれを取り巻く社会動向について考察します。
まず既存のクラウドベースの医療データエコシステムを構成するEHR(Electronic Health Records)やPHR(Patient Health Records)といった診察時のメモや放射線画像などの患者のプライバシーやアイデンティティに関するデータを記録するシステムを概観し、その上で医療の場でのデータ管理システムの課題である「患者のプライバシーとセキュリティを守りながら、患者のデジタルデータをどのように利用するか」という問いに対してSSIの概念がどのように役立つのかを考察します。
その後SSIのユースケースとしてPHRを利活用した医療分野でのIoT(モノのインターネット)活用や新型コロナウイルスの感染拡大下で生まれてきたSSIソリューションを概観し、その上で健康データと今後の社会をテーマに筆者の考察を加えます。
なお、本レポートではSSI、およびVC(Verifiable Credential)の基礎的な知識の提供は行いません。SSIおよびVCの解説は以下の関連レポートで行っています。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。