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スマートシティをムーブメントと捉え、生活者と企業の視点でその実態を解釈する

2020年08月05日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • ムーブメントとしてのスマートシティ
  • スマートシティに盛り込まれる主な生活者体験や機能
  • スマートシティの実現の難しさ
  • 企業はスマートシティにどう関わるか
  • 総論
  • 参照

前提

スマートシティといった取り組みが国内外を含めて多く聞こえてくるようになりました。
近年における日本政府による動向で、スマートシティが含まれるものでは、2019年8月、内閣府、総務省、経済産業省、国土交通省は「スマートシティ官民連携プラットフォーム」を設立、2020年4月には、国土交通省は「先行モデルプロジェクト」15事業の実行計画を公表、総務省は「データ利活用型スマートシティ推進事業」の公募を開始、2020年7月に内閣府は「経済財政運営と改革の基本方針2020」を発表し、スマートシティが盛り込まれるなど活発化しています。
これに加えて、2020年5月には「スーパーシティ」構想を実現する改正国家戦略特区法、いわゆるスーパーシティ法が、通常国会で成立しました。スーパーシティ法では、規制改革を伴う複数分野のサービスを生活に実装し、2030年をターゲットに未来都市を実装することを目指します。政府は今後、スーパーシティ構想を進めたい自治体を公募し選定する予定です。
こういった事情も背景にあり、国内大手企業からもスマートシティへの具体的な動きが増えています。主要な例では、トヨタグループによる、静岡県の東富士で予定されるWoven Cityなどがあります。同プロジェクトでは、トヨタグループだけでなく、NTTが資本提携を発表して互いに2000億円を出資し、スマートシティに長期的に取り組むことを明らかにしています。
本レポートではスマートシティをムーブメントと捉えて、その実態の解釈を論じます。スマートシティという単語自体をムーブメントと表現する理由は、その言葉が多く使われるようになったのは今回が初めてではないからです。2000年代に、再生可能エネルギー関連でスマートシティという言葉が注目された第一世代、2010年代にビッグデータの活用の観点で注目された第二世代であり、スマートシティが注目されるのは今回3回目であると言えます。
このようにスマートシティは過去数十年を振り返ると定期的に頻出する単語であり、それは官民連携によるその時代に合った都市デザインの模索や技術の適用をすることを包括していると言えます。このように今回は、スマートシティをムーブメントと捉え、現在2020年代におけるスマートシティで、生活者と企業の視点でその実態を解釈することを目的とします。
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