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Libra White paper v2.0で示された主な変更点

2020年04月21日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Libra Whitepaper v2.0の主な変更点
    • 1)単一通貨担保型ステーブルコイン
    • 2)バスケット型ステーブルコイン
    • 3)スイスの決済システム(FINMA)ライセンスを申請
    • 4)AML/CFT基準を含むコンプライアンスとリスク管理の枠組みを実施
  • 総論

前提

本レポートではFacebookが主導するLibraプロジェクトのWhitepaper v2.0で示された主な変更点を概観します。
Libraプロジェクトの概要、考察は過去のレポートでも度々触れてきました。これまでの動向はそちら(章末添付)を参照ください。
LibraのWhitepaper v 2.0で新たに示された主な変更点は以下の4点です。
  1. 新たに単一の法定通貨を担保とするステーブルコインをサポート
  2. 従来のバスケット型ステーブルコインの担保を1)のステーブルコイン等で構成
  3. スイスの決済システム(FINMA)ライセンスを申請
  4. AML/CFT基準を含むコンプライアンスとリスク管理の枠組みを実施
以上の変更点は各国の中央銀行や規制当局の懸念を踏まえた上でそれを回避しようとするLibra の姿勢が垣間見えます。Libra Associationは当初参加を表明していたVisa、Mastercard、eBay、Paypalなどの主要プレイヤーが規制当局らの懸念を踏まえ撤退し、立ち上げ当初から多くの挫折に見舞われてきました。
Libraプロジェクトがこれまでに懸念されていた点を整理すると、まず前提としてLibraがGSC(グローバルステーブルコイン)となり得る可能性があること、そしてそれを規制する既存の国際基準が存在しないことがあります。
その前提の上でLibraステーブルコインがシステミックリスクをもたらす可能性、将来的にパーミッションレスな形態を取ることで責任の所在が不明瞭になる懸念(規制困難となる)、マネーロンダリングやテロ資金供与に利用される可能性、さらに独占禁止法上の懸念や各国の金融政策に与える影響など様々な懸念点が挙げられていました。
本レポートではLibraのWhitepaper v2.0に示された主な変更点を確認し、その改善点を明らかにすることを目的とします。
【過去レポート】
Facebookがイニチアチブを取る独自通貨及びブロックチェーンであるLibraの基本要件の概観
https://hashhub-research.com/articles/2019-06-27-libra-overview
グローバル企業vs国家という観点でFacebookがイニシアチブをとる暗号通貨Libraを考察する
https://hashhub-research.com/articles/2019-06-27-global-company-vs-state
中央銀行のデジタル通貨とFacebookのLibraは何が異なるか
https://hashhub-research.com/articles/2019-11-21-diffrence-cbdc-and-libra
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