Opyn(Convexity Protocol)の概要 Ethereum上でオプション取引を実現する仕組み
2020年04月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- プットオプションの概要
- Opynの概要
- オプションの売り手
- オプションの買い手
- ユースケース① Compoundデポジットに対する保険
- ユースケース②DAIの価格変動に対する保険
- ユースケース③指標としてのオプション
- 超過担保の課題
- 総論
前提
本レポートではEthereum上でのオプション取引を実現するOpyn(Convexity Protocol)の概観を行います。Opynというチームが開発しているプロトコルで、中央集権的な取引所を介在させないERC20トークンのオプション市場を開拓しています。
以前にデポジットされたETHをコールオプションとステーブルコインに分割することでETH担保ステーブルコインの超過担保問題を解決しようとしているLien Protocolを紹介しました。
*レポート:Lien Protocolの概要 担保となる暗号資産の死蔵をシンプルに回避した新ステーブルコイン
https://hashhub-research.com/articles/2020-04-08-lien-protocol-overview
https://hashhub-research.com/articles/2020-04-08-lien-protocol-overview
Convexity Protocolは、後述する幾つかの理由で最初はステーブルコインベースのオプション取引が主流になると考えられますが、ステーブルコイン自体はDAIやUSDCを利用します。
2017年頃からDEX(分散型取引所)のICOが実施され、2019年頃からは単なるトークンの交換のみならず、DEX上でのマージン取引やレンディングが可能になりましたが、2020年はオプション取引を組み込んだプロダクトの開発が進んできています。
ブロックチェーンはもともと金融と相性の良い技術であり、BitcoinもP2Pキャッシュシステムとして発案されました。故に、既存金融の機能が急速な勢いでブロックチェーン上で再現されるのは自然な流れといえます。
本レポートでは、Opynの主要プロダクトであるプットオプションの説明、Opynの概要、超過担保の課題と現時点での解決策を紹介します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。