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MakerDAOのMCDを概観する

2019年10月10日

目次

  • MakerDAOに注目する背景
  • Multi-Collateral Dai(以下MCD)とは
  • Single-Collateral Dai(以下SCD)の問題点
  • MCDは何が嬉しいか
  • 総論

MakerDAOに注目する背景

MakerDAOはEthereum上で最も大きなアプリケーションと言え、現時点で発行済Etherの1.5%程度、最大で2%程度がMakerDAOのコントラクトにロックされていました。MKRトークンの時価総額は355億円程度で、現在28位に位置しており、ユーティリティ・ガバナンス型のトークンとして最大級の時価総額と利用者を有しています。MKRはDAIの利用増加に伴う徴収手数料の増加に比例する形でバーンされるMKRが増えていくトークンモデルになっており、疑似配当型の設計といえます。特筆すべきは、この疑似配当を永久債モデルを使って現在価値を算出した場合に、理論価値が現在価値を上回るケースがあるという点です(MKRと永久債は別物なので、複数の注意点がありますが、両者とも破綻しない限り配当を配り続けるモデルなので、参考値としては使えます)。
多くの方がご存知の通りユーティリティトークンとして、そのトークンの時価総額を正当化できるものは現時点ではほとんどありません。それに気付いたプロジェクトは、VCのテコ入れもあってか、ステイキングモデルを導入したりしています。
Ethereum上最大のアプリケーションであり、初期のトークンモデルがワークしており、且つMKRの時価総額には賛否両論あれど他のユーティリティ型のものに比べると遥かに現実的な水準にいる点で一つのベンチマークとなるMakerDAOの新システムについて見ていきましょう。

※参考レポート

レポート:MakerDAO/DAIの概要、Ethereumの経済圏で広く利用される分散型Stablecoin
https://hashhub-research.com/articles/2018-11-13-overview-makerdao-and-dai
レポート:MakerDAO のガバナンストークンであるMKR を投資対象として検討する。将来価値を考えるために見るべき指標、考え方
https://hashhub-research.com/articles/2019-03-07-mkr-analysis
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