ステーブルコインUSDXの価格乖離(デペグ)事件から投資家が学ぶべきこと
2025年11月07日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 背景
- 事件の概要
- ステーブルコインの構造比較
- 本件から投資家が学ぶべきこと
- 総括
背景
ステーブルコインは、暗号資産市場において「価格変動が少ないデジタルトークン」として重要な役割を担ってきました。日本では、電子決済手段として暗号資産とは法的には区別されています。
そのなかで、米国のフィンテック企業 Circle が発行する法定通貨担保型ステーブルコイン USDC は、透明性・信頼性の観点から多くの投資家に支持されています。
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一方、DeFi領域では、「法定通貨を裏付けとしない」「暗号資産担保・金融派生商品を使った」ステーブルコインという新たなチャレンジも現れています。その典型の一つが、 USDX(発行: Stables Labs)です。USDXは銀行預金や短期国債を裏付けとせず、暗号資産の担保+先物(ショート)ポジションなどを用いた「デルタニュートラル」戦略で価値を保とうという設計がされています。
そして2025年11月初旬、このUSDXが大幅にドルペッグを外す(=1 USDX = 1米ドルから大きく乖離する)という事案が発生しました。この出来事は、「ステーブルコインだから安心」という前提に対して重要な警鐘を鳴らすものです。
本レポートでは、まず事件の概要を整理し、次にUSDCとUSDXの構造比較を行い、最後にこの事件から暗号資産投資家が学ぶべき教訓を整理します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。