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Ripple USD(RLUSD)の概要|ユースケース、発行体と裏付け資産、市場規模・流通量の推移などを整理

2025年08月28日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • Executive Summary
  • RLUSDの概要
    • 主なユースケース(主に金融機関などのエンタープライズ向け)
  • 裏付け資産と発行体
  • 市場規模・流通量の推移
  • ブロックチェーン別の流通とユーザープロファイル
  • 国内でのRLUSDの流通可能性について
  • リスク要因
  • 総括
  • 参考文献

Executive Summary

  • Ripple社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「Ripple USD (RLUSD)」は、法定通貨USDを裏付け資産とするエンタープライズ向けステーブルコインです。

  • RLUSDは米ドル預金や米国短期国債などの準備資産によって100%裏付けられ(準備金は分別管理)、1 RLUSD=1米ドルで常に交換可能な設計になっています。

  • 発行主体はRipple社傘下のStandard Custody & Trust Companyで、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の信託会社として厳格な規制下に置かれ、毎月独立監査法人による準備資産の検証(アテステーション)を実施するなど透明性・信頼性を備えているとされます。

  • 2024年12月にサービスが開始されたRLUSDは、2025年8月時点で流通額は約6.7億ドルに達しており、月次検証報告によれば準備金6.9億ドルとなっています。

  • SBIホールディングス傘下のSBI VCトレードとの提携により、日本国内でも2025年度内(目途は2026年初頭)にRLUSDの発行・流通が計画されており、既に国内ではUSDCが取り扱われ始める中、投資家にとって新たな選択肢となる見込みです。

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RLUSDの概要

Ripple USD (RLUSD)はRipple社が2024年末にローンチした米ドル連動型の法定通貨等担保型ステーブルコインです。1ドルと等価となるよう設計されており、暗号資産XRPのエコシステムを推進するRipple社が初めて手掛けたステーブルコインです。
RLUSDはエンタープライズを想定した信頼性とコンプライアンスを重視して設計されており、発表当初は主に機関投資家向けのステーブルコインとして位置付けられていました。
実際、CTOのデービッド・シュワルツ氏も当初「RLUSDはおそらく機関が利用可能になるだろう」と語っていた経緯があります。もっともローンチ後は、セルフカストディ型ウォレットへの対応やサードパーティの決済統合なども進み、個人レベルでの利用も徐々に拡大しています。
技術面ではXRP Ledger(XRPL)とEthereumブロックチェーンの双方でネイティブ発行されるマルチチェーン対応となっており、XRP Ledger上のトークンとしてもERC-20トークンとしても機能します。
これによりRippleの自社エコシステム(XRPL上の分散型取引所やRippleNetの決済ネットワーク等)と、Ethereum上のDeFiや取引所など複数の経済圏に跨ったユースケースを可能にしています。
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主なユースケース(主に金融機関などのエンタープライズ向け)

  • 国際送金の即時決済の実現
  • 送金業務や財務運用に必要な流動性を確保
  • 分散型金融(DeFi)プロトコルと連携
  • 暗号資産市場へのオンランプおよびオフランプを効率的かつスムーズに
  • 商品、証券、国債などのトークン化されたRWAの取引において、担保として機能

Ripple社自身も、RLUSDを自社の国際送金プラットフォーム「Ripple Payments」に統合しており、既存のXRPを用いたブリッジ通貨による送金に加えて、RLUSDによる即時ドル移転を支える仕組みを構築しています。
2025年4月時点で、東南アジアの送金プロバイダー(BKK Forex社やiSend社)など一部のRipple提携企業がRLUSDをトレジャリー用途に利用開始していることも公表されました。

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