暗号資産ファーストのグローバル金融プラットフォームへと変貌するロビンフッド(Robinhood)の全貌、ロビンフッド・チェーンの概要
2025年07月05日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 欧州への進出戦略の背景
- 財務的背景
- 規制のサンドボックスとしてのEU
- ロビンフッド・チェーンとRWAトークン化
- ロビンフッド・レイヤー2(L2)ブロックチェーン
- EUにおける株式・ETFトークン
- プライベート市場の破壊:OpenAIとSpaceXのトークン提供と疑義
- 法的および株式調達に関する課題
- 総括
フィンテック企業であるロビンフッドは、フランスのカンヌで開催された「To Catch a Token」イベントにおいて、主にEU向けに一連の新製品と戦略を発表しました。
https://newsroom.aboutrobinhood.com/robinhood-launches-stock-tokens-reveals-layer-2-blockchain-and-expands-crypto-suite-in-eu-and-us-with-perpetual-futures-and-staking/
主な発表内容
主な発表内容
- 株式トークンの取扱開始
- レイヤー2ブロックチェーン開発
- 無期限先物取引の提供開始
- ステーキングサービスの提供
- 米国株式市場への欧州ユーザーのアクセス強化
これらの発表は、単なる個別製品の投入ではなく、同社が暗号資産を中核に据えたグローバルな金融エコシステムへと根本的に舵を切る、統一された戦略的転換を示唆しているものと考えられます。
本レポートでは、それらの戦略の概要とその中核をなす、独自開発のレイヤー2ブロックチェーン「ロビンフッド・チェーン」の構築計画についてフォーカスします。
ロビンフッドの一連の動きは、同社が単なる手数料無料の株式ブローカーから、暗号資産を金融システムの基盤そのものとして活用する、垂直統合型のグローバル金融テクノロジー企業へと脱皮を図る試みのように見えます。
その新たな金融のハイブリッド形態を目指す全貌を紐解きます。
欧州への進出戦略の背景
今回の戦略は、欧州市場への積極的な進出と、暗号資産ネイティブな金融インフラの構築という2つの柱が存在します。
財務的背景
ロビンフッドがこれほど大胆な一手を打てる背景には、その堅固な財務状況があります。2024年第4四半期の決算報告は、同社の戦略転換の原動力を明確に示しています。
特筆すべきは、暗号資産関連の収益が前年同期比で700%以上増加し、3億5800万ドルに達した点です。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。