Galaxy Digitalのナスダック上場、ビジネスモデルと現状を分析する
2025年04月09日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- Galaxy Digitalの概要
- 直近の財務状況と事業成長トレンド
- 収益構造
- 通期業績(2024年)
- バランスシート
- 事業成長トレンド
- 米国への移転とナスダック上場計画の背景・目的
- ケイマン諸島からデラウェア州への移転
- ナスダック上場計画の背景・目的
- 今後の成長戦略と競合比較
- 今後の成長戦略
- 競合比較
- 総括
- 参考文献
Galaxy Digital(以下、Galaxy)は、暗号資産ブロックチェーンを中核とする新しい金融領域に特化した投資銀行・金融サービス企業として知られています。創業者は元フォートレス・インベストメント・グループ出身のマイク・ノボグラッツ(Mike Novogratz)氏で、ウォール街の伝統的金融手法と暗号資産のイノベーションを融合させた多角的なビジネスモデルを展開しています。
2025年4月7日、Galaxyはケイマン諸島からデラウェア州への移転に関するS-4登録届出書が米国証券取引委員会(SEC)によって承認されたと発表しました。これにより、従来のカナダ・トロント証券取引所(TSX)ベンチャーでの上場に加え、5月にも米国ナスダック(NASDAQ)に上場することが見込まれています。デジタル資産関連企業としてはCoinbaseに次ぐ上場大型案件として注目が集まるなか、そのビジネスモデルや財務状況、今後の成長戦略を再確認することは、暗号資産ビジネスに関心を持つビジネスパーソンにとって有意義といえます。
本レポートでは、Galaxyの概要や財務動向、移転・上場の背景と目的、さらなる成長戦略や競合他社との比較、今後の展望を俯瞰的に考察します。暗号資産ビジネスにおける成熟化・機関投資家の進出が進むなかで、Galaxyが示す総合金融サービスモデルは他のWeb3企業にとっても数多くの示唆を与えるとともに、暗号資産領域をカバーする投資家にとっても有益な情報提供となるはずです。
Galaxy Digitalの概要
Galaxy Digitalは2018年、暗号資産ヘッジファンドを運営していたマイク・ノボグラッツ氏によって創業されました。ノボグラッツ氏はウォール街でヘッジファンド運用を長年手掛けた経歴をもち、伝統金融のノウハウと暗号資産市場への早期参入が掛け合わさった形で同社を設立しました。
要約すると、以下のような事業ドメインとなっています。
- グローバルマーケッツ(Global Markets)
- 暗号資産の現物取引・デリバティブ取引
- 自己勘定取引(アービトラージ、マーケットメイクなど)
- 貸付・借入を含むプライムブローカレッジ的機能
- M&Aや資金調達支援などの投資銀行(IB)業務
- 資産運用(Asset Management)
- 暗号資産投資信託やETF/ETNなどの組成・運用
- 機関投資家や富裕層向けのカスタム投資商品
- ベンチャー投資(VCファンド)運営
- マイニングおよびインフラ(Digital Infrastructure)
- ビットコインマイニング事業(自社施設の運営、ホスティング)
- ステーキングサービス(PoSチェーンのバリデータ運用)
- カストディ技術(GK8プラットフォーム)やノード運用のB2Bサービス
- リサーチ(Research)・自己投資
- 市場動向や技術動向の調査・発信(Galaxy Research)
- 自社資本を活用したスタートアップ投資(プリンシパル投資)
これらセグメント間のシナジーを重視しながら、機関投資家向けに包括的なサービス提供を目指している点が、Galaxyのビジネスモデルの大きな特徴です。「暗号資産版ゴールドマン・サックス」を標榜することもあり、投資銀行、運用、トレーディング、テクノロジーといった要素が融合しています。
直近の財務状況と事業成長トレンド
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。