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RWAエコシステムマーケットレポート【2025年2月】:主要プレイヤーの取り組みと収益モデルの整理(前編)

2025年02月13日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • Executive Summary
  • RWA市場の市場動向【2025年2月】
  • 主要プレイヤーの動向
    • Figure(住宅ローン・HELOC)
    • BlackRock(BUIDL)
    • Hashnote(USYC)
    • Ondo Finance(USDY・OUSG)
  • ビジネスモデルの類型と収益構造の現状
    • (a) プラットフォーム型
    • (b) 資産管理型
    • (c) 証券化型
    • (d) 流動化サービス型
  • 特にRWA領域で注目されるビジネスモデルと、将来的なエコシステム像は何かを考察する
  • 総括
本レポートでは、執筆時点におけるRWA(Real World Assets)市場動向を概観し、主要プレイヤーの取組の概要、ビジネスモデル創出にあたる類型整理と成功要因のポイントを含む、最新情報をアップデートすることを目的にします。
なお、本レポートは、前編・後編の2部作です。後編では、前編の内容を前提に、国内でのビジネスモデルの検討を行います。

Executive Summary

  1. オンチェーン上のRWA(ステーブルコインを除く)の時価総額は、2023年末の約84億ドルから約102%の伸びを示し、2025年2月時点で約170億ドルに達しました。全体では、ステーブルコインを含めた市場規模が2,000億ドルを超えるなど、投資家や発行体の注目が高まっています。
  2. プライベートクレジットが約116億ドル(市場全体の約7割)を占め、次いで米国債が約36億ドルと続いています。特に、住宅ローン担保の証券化をトークン化するプラットフォームを提供するFigure社が、この領域で圧倒的な存在感を示しており、Figure単体で92億ドルものアクティブローンを管理しています。
  3. Figureのほか、BlackRock(BUIDL)、Hashnote(USYC)、Ondo Finance(USDY・OUSG)など、伝統金融と暗号資産双方の強みを活かした各社が市場に参入。各社とも、ブロックチェーン技術を活用して、従来の金融システムに存在していたコストや手続きの非効率性を改善し、透明性と迅速な決済を実現しています。
  4. RWAトークン化におけるビジネスモデルは、大きく「プラットフォーム型」「資産管理型」「証券化型」「流動化サービス型」の4つに分類されるとしました。これら各モデルは、相互に補完しあうエコシステムを形成することで、発行・流通・投資のバリューチェーン全体における効率性と魅力が向上する構造だと考察しています。
  5. ブロックチェーンを活用したトークン化により、従来は非流動的だった実世界資産が、細分化・即時決済・24時間取引といった新たな流動性を獲得しつつあります。特に、高金利環境下での安全資産としての魅力や、低コストかつ迅速な資金調達手段として、今後も持続的な成長が期待される分野となっています。

RWA市場の市場動向【2025年2月】

RWA市場は、急速に拡大しており、ステーブルコインを除くオンチェーンのRWA時価総額は2025年2月現在でおよそ170億ドルとなっています。2023年末時点では約84億ドルであったため、約102%の上昇で倍増していることがわかります。

https://app.rwa.xyz/


ステーブルコインを含めたRWAの時価総額はおよそ2,000億ドル超なります。中でもプライベートクレジットが約116億ドルでおよそ7割を占め、次いで米国財務省証券(米国債)が36億ドルを占めて約2割、その他の1割を不動産、株式、貴金属などその他資産カテゴリーとなっています。

https://app.rwa.xyz/


特にプライベートクレジット、米国債を扱うRWAの時価総額が2024年下半期からの増加が著しく、この領域でも主要となっています。
プライベートクレジットに焦点を当てると、プライベートクレジット(特に住宅ローン担保の証券化)をトークン化するプラットフォームを提供するFigure社が圧倒的な市場シェアを占めています。彼らはHELOC(Home Equity Line of Credit)のトークン化に特化しており、住宅ローン担保を提供するプライベートクレジット市場をターゲットにしています。その規模は、Figure単体で92億ドルものアクティブなローンを展開し9割以上を占めています。

https://app.rwa.xyz/private_credit


一方で、米国債のRWA市場を見ると、トークン化商品が複数存在することから、参入が進み競争が激しくなっている様子が伺えます。

https://app.rwa.xyz/treasuries


時価総額では、HashnoteのUSYC(約11.6億ドル)、BlackRockのBUIDL(6.3億ドル)、Franklin TempletonのBENJI(5.8億ドル)がトップ3となっています。

https://app.rwa.xyz/treasuries


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