Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #47|暗号資産ペイメントの規制対応ソリューションを提供する「Notabene」、DRW VC主導のシリーズBラウンドで1,450万ドルを調達…etc
2024年11月16日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #47_資金調達の潮流
- 1.「2024年11月」
- 2.「直近1週間」
- 2.1.暗号資産ペイメントの規制対応ソリューションを提供する「Notabene」、DRW VC主導のシリーズBラウンドで1,450万ドルを調達
- 2.2.マイニング企業「BIT Mining Limited」、Bitcoinマイニングに焦点を当てた分散型プロトコル「Prosper」に出資
- 2.3.利回り型資産を活用したオムニチェーン流動性インフラを提供するStakeStone、Polychain CapitalやBinance Labs、OKX Venturesが主導するシリーズAラウンドで2,200万ドルを調達
- 2.4.オフチェーン計算を行うZKコプロセッサの開発に特化したスタートアップ「Brevis Network」、Polychain CapitalとBinance Labs主導で750万ドルのシード資金を調達
- 2.5.デジタル資産取引インフラを提供するWyden、シリーズB資金調達ラウンドで1,690万ドル(約14.5百万スイスフラン)の資金を調達
- 2.6.Web3技術を活用したヘルステックスタートアップ「Pulse」、Collab+CurrencyやLemniscapの共同主導により180万ドルのプレシード資金を調達
- 3.「2024年度Q4」
- 3.1.資金調達を実施したプロジェクト概観
- 3.2.資金調達が活発なカテゴリー
- 4.投資会社(投資家)の動向
- 4.1.直近一週間の出資フロー
- 4.2.活発な投資会社の特定(四半期別)
- 5.補足資料
- Infra
- DeFi
- Games
- NFT
- CeFi
- Tools
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#47では、2024年11月09日から2024年11月15日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
- 暗号資産ペイメントの規制対応ソリューションを提供する「Notabene」、DRW VC主導のシリーズBラウンドで1,450万ドルを調達
- マイニング企業「BIT Mining Limited」、Bitcoinマイニングに焦点を当てた分散型プロトコル「Prosper」に出資
- 利回り型資産を活用したオムニチェーン流動性インフラを提供するStakeStone、Polychain CapitalやBinance Labs、OKX Venturesが主導するシリーズAラウンドで2,200万ドルを調達
- オフチェーン計算を行うZKコプロセッサの開発に特化したスタートアップ「Brevis Network」、Polychain CapitalとBinance Labs主導で750万ドルのシード資金を調達
- デジタル資産取引インフラを提供するWyden、シリーズB資金調達ラウンドで1,690万ドル(約14.5百万スイスフラン)の資金を調達
- Web3技術を活用したヘルステックスタートアップ「Pulse」、Collab+CurrencyやLemniscapの共同主導により180万ドルのプレシード資金を調達
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
#47_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年11月」「直近1週間」「2024年度Q4」の資金調達の潮流を概説します。
1.「2024年11月」
調査時点で観測している11月の投資ラウンド件数は計54件、公開情報に基づく調達額は約$0.21B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。
2.「直近1週間」
直近一週間の投資ラウンド件数/週は26件、公開情報に基づく調達額/週は約$161M(※非公開情報は含まれません)です。
この期間中、公開された資金調達額ではインフラ($73.75M/2件)、DeFiセクター($28.6M/5件)、Toolsセクター($26.4M/4件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、Layer1関連($48M/2件)、LSD($48M/2件)、CeFiソリューション関連($16.9M/1件)に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。
2.1.暗号資産ペイメントの規制対応ソリューションを提供する「Notabene」、DRW VC主導のシリーズBラウンドで1,450万ドルを調達
Notabeneは、暗号資産の規制対応ソリューションを提供するリーディング企業として、DRW VC主導のシリーズBラウンドで1450万ドルを調達しました。この資金は、暗号資産ペイメントをグローバル経済に普及させるための取り組みに活用されます。
同社は、送金者と受取人情報の安全な交換を求める「Travel Rule」に対応したプラットフォームを提供しており、165以上の主要企業が利用。これまでに累計5,000億ドル以上の取引を処理しています。また、ステーブルコインの活用拡大に向け、低コストかつ迅速な決済インフラの構築を推進しています。
[参考]
- Website:https://notabene.id/
- 参考:Notabene Raises $14.5M in Series B Funding Led by DRW VC to Drive the Future of Stablecoins and Payments
2.2.マイニング企業「BIT Mining Limited」、Bitcoinマイニングに焦点を当てた分散型プロトコル「Prosper」に出資
マイニング企業「BIT Mining Limited(NYSE: BTCM)」が、Bitcoinマイニングに焦点を当てた分散型プロトコル「Prosper」のネイティブトークン「PROS」に投資を行いました。
Prosperは、機関投資家グレードのビットコインマイニング能力をオンチェーンで提供し、Bitcoinの流動性ファーミングを通じて持続可能なフライホイール構築(PROSトークンの価値を最大化する)を目指すDAOプロジェクトです。
PROSトークンの価値はProsper DAOが所有するビットコインのマイニング能力(ハッシュレート)に裏付けられており、DAO所有のビットコインマイニング能力を、発行されたトークン(PROSトークン)で割った値、つまり1トークンあたりのハッシュレート値を反映するように設計されています。なお、PROSトークンはDAOのマイニング能力(報酬)の恩恵を受けるだけでなく、ガバナンス権も付与されています。
[関連レポート]
[参考]
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。