Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #44
2024年10月26日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #44_資金調達の潮流
- 1.「2024年10月」
- 2.「直近1週間」
- 2.1.フィンテック企業「Stripe」、ステーブルコインプラットフォームのBridgeを11億ドルで買収
- 2.2.X(旧Twitter)の代替プラットフォームとして期待される「Bluesky」、Blockchain CapitaをリードとするシリーズAラウンドで1,500万ドルを調達
- 2.3.Node APIおよびStaking-as-a-Serviceプラットフォームを展開するValidation Cloud、TCGから1,000万ドル調達
- 2.4.毎日の歩数目標と金銭的インセンティブを組み合わせたSolanaベースのフィットネスアプリ「Moonwalk」、Hack VCをリードに340万ドルを調達
- 2.5.ソーシャルネットワークを活用したHypercasual Financeの提供を謳うHana Networkが、Sushiswap、Alliance、Orange DAOなどから400万ドルを調達
- 3.「2024年度Q4」
- 3.1.資金調達を実施したプロジェクトのワードクラウド
- 3.2.ラウンド別分布
- 3.3.資金調達が活発なカテゴリー
- 4.投資会社(投資家)の動向
- 4.1.直近一週間の出資フロー
- 4.2.活発な投資会社の特定(四半期別)
- 5.補足資料
- Infra
- DeFi
- Games
- Social
- CeFi
- NFT
- DAO
- その他
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#44では、2024年10月19日から2024年10月25日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
- フィンテック企業「Stripe」、ステーブルコインプラットフォームのBridgeを11億ドルで買収
- X(旧Twitter)の代替プラットフォームとして期待される「Bluesky」、Blockchain CapitaをリードとするシリーズAラウンドで1,500万ドルを調達
- Node APIおよびStaking-as-a-Serviceプラットフォームを展開するValidation Cloud、TCGから1,000万ドル調達
- 毎日の歩数目標と金銭的インセンティブを組み合わせたSolanaベースのフィットネスアプリ「Moonwalk」、Hack VCをリードに340万ドルを調達
- ソーシャルネットワークを活用したHypercasual Financeの提供を謳うHana Networkが、Sushiswap、Alliance、Orange DAOなどから400万ドルを調達
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
#44_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年10月」「直近1週間」「2024年度Q4」の資金調達の潮流を概説します。
1.「2024年10月」
調査時点で観測している10月の投資ラウンド件数は計77件、公開情報に基づく調達額は約$2.24B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。
2.「直近1週間」
直近一週間の投資ラウンド件数/週は24件、公開情報に基づく調達額/週は約$1.193B(※非公開情報は含まれません)です。
この期間中、公開された資金調達額ではインフラ($1.123B/8件)、DeFiセクター($18.1M/5件)、Socialセクター($15M/1件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、ステーブルコイン・イシュアー($1.1B/1件)、ソーシャル・プラットフォーム($15M/1件)、ノードサービス関連($10M/1件)に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。
2.1.フィンテック企業「Stripe」、ステーブルコインプラットフォームのBridgeを11億ドルで買収
フィンテック企業のStripeは、元CoinbaseおよびSquareの社員によって設立されたステーブルコインプラットフォーム「Bridge」を11億ドルで買収しました。この買収は、Stripeにとって過去最大規模であり、暗号資産業界においても史上最大の取引の一つとなります。
Bridgeは、企業がステーブルコインを活用して支払いを受け入れるためのソリューションを提供しており、今回の買収はStripeの暗号資産分野における進出拡大を示しています。Bridgeはこれまでに5800万ドルの資金調達を行っており、直近の評価額は2億ドルとされていました。
※関連レポート:Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #36(2.1項参照)
Bridgeの対応ステーブルコインおよびブロックチェーンは以上の通りです。USDCはTRONを除く対応チェーンに全て対応。一方、USDTはTRONのみ対応しています。またSolanaのみUSDCに加え、PYUSDにも対応しています。
※関連レポート:PYUSD|PayPalのステーブルコイン戦略とその影響
主なプロダクトは上の通り。USD↔︎ステーブルコインやステーブルコイン↔︎ステーブルコイン、ステーブルコイン発行などに対応しています。なお、執筆時点では米国の銀行にのみ入出金対応しています。その他詳細は公式のAPIドキュメントをご参考ください。
[参考]
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。