10分でふりかえる|暗号資産リテールの制度インフラ化・定点観測(2025年12月上旬)
2025年12月08日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- CFTC現物承認と予測市場の制度編入、金商法・CARFが同時進行した2週間
- ▼ Tier A(構造に効く:制度・インフラ・市場構造を動かす)
- A-1 予測市場インフラの「規制市場レイヤー」拡張
- A-2 連邦規制市場レールの「現物クリプト」組み込み
- A-3 日本の暗号資産ルールの「金商法レール」シフト
- A-4 デジタル資産の「財産・所有権・税務トレーサビリティ」レイヤー
- A-5 VASPライセンス・マクロプルーデンス・政治レイヤー
- ▼ Tier B(既存構造の拡張・実装:実用レイヤーの広がり)
- B-1 予測市場のフロント実装・常設化
- B-2 リテール決済・銀行リテール接続
- B-3 ウォレット・AI・リテールUXの高度化
- B-4 セキュリティ・清算リスク対策の“実装フェーズ”
- ▼ Tier C(観測・ローカル起点・ニッチ拡大)
- 今後の観測点(総括)
CFTC現物承認と予測市場の制度編入、金商法・CARFが同時進行した2週間
直近二週間は、
- Kalshi・Polymarket・Robinhood JV・CFTCの現物クリプト承認報道などを通じて、「予測市場と暗号資産現物」をCFTC規制レールの中に“どう包摂しに行くか”という政策方向性が一気に可視化された週であり、
- 同時に、日本の金商法シフト+20%分離課税構想、英・スイス・CARF/CRS、豪AFSL化、MiCA移行デッドラインなどを通じて、「暗号資産=投資商品・課税対象」としてのルールブックがグローバルに“証券並みへ収斂しつつある流れ”が同時多発的に観測された期間でもあり、
- 一方で、Upbit流出・Huione Payの取り付け停止・North Korea/ラザルス疑惑・ミキサー摘発・Fishing Net Pumpingなど、“暗号資産リテールを取り巻く運用・ハッキング・市場操作リスク”が可視化され、VASP側にはセキュリティ・AML・開示のフルスタック対応が「努力目標」ではなく「生存要件」に近づいてきたフェーズにも入った。
ただし、これらは「この2週間で突然すべてが変わった」というより、これまで積み重ねられてきた規制・金融接続・税務整備の動きが、ここにきて一斉に可視化された局面と捉えるのが適切であり、「暗号資産リテールビジネスの“本気の制度インフラ化”が加速して“見える形になった週”」と位置付けるのが最も実態に近い。
以下、「どのレールがどう動いたか」をTier別に整理します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。