ペライチで捉えるCBDCの近況_2024年4月〜10月下旬の報告
2024年10月24日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 1.国際的なCBDC・DLTプロジェクトの進展
- 2.各国のCBDC進展と実証実験
- 3.欧州におけるCBDCとDLTの取り組み
「ペライチで捉えるCBDCの近況_2024年4月〜10月下旬の報告」と題し、2024年4月〜調査時点(10月22日)までの間に話題となったCBDC(中央銀行デジタル通貨)の主な動向をテーマ別のペライチにまとめます。
最新のCBDC動向をサクッとキャッチアップする目的でご参考ください。
【要旨】
- 本レポートの調査対象期間:24年04月01日〜24年10月22日
- 対象期間中の以下5つのテーマに即した中央銀行デジタル通貨(CBDC)の話題に焦点を当て、テーマごとにペライチのスライドにその主な動向をまとめます。
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国際的なCBDC・DLTプロジェクトの進展
- BRICSのCBDC/DLTの近況
- BIS主導「Agorá」の近況
- mBridgeの近況
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各国のCBDC進展と実証実験
- デジタル・ルーブルの近況
- デジタル・ルピーの近況
- イタリア銀行による許可制DLTの研究
- e-HKD(香港)の近況
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欧州中央銀行(ECB)におけるCBDCとDLTの取り組み
- Eurosystemによる第1、第2ウェーブ試験について
- ドイツの商業銀行マネートークン(CBMT)
1.国際的なCBDC・DLTプロジェクトの進展
1-1.BRICSのCBDC/DLT:
- ロシアが2024年度の議長国を務めるBRICSでは、CBDCおよびDLTシステムを使用して、各国通貨による国際決済を効率化する提案がされています。主な目的は脱ドル依存(特にロシアとイランはSWIFTから締め出されているため代替手段を構築する必要性)であり、2024年10月22~24日にロシアのカザンで開催される今次サミットで、(1)BRICSブリッジの詳細、(2)関連技術インフラ、規制の枠組み、導入・普及時期、(3)金融機関やテクノロジー企業との協業、について提案・議論が進む可能性があります。BRICSは2024年にイラン、サウジアラビア、UAE、エチオピア、エジプトの5カ国を新たなメンバーに迎えた計10カ国となり、その影響力を強化しています。なお、BRICS独自の分散型決済プラットフォームの模索は2019年から始まっており、BRICS PAYと呼ばれるDLTベースのプロジェクトも存在します。
- 参考資料①:24年度BRICS議長国ロシアが10月にリリースした国際通貨金融システムの改善案:https://yakovpartners.ru/publications/imfs/
- 参考資料②:BRICS PAY Website:https://brics-pay.com/
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。