Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #40
2024年09月28日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #40_資金調達の潮流
- 1.「2024年9月」
- 2.「直近1週間」
- 3.「2024年度Q3」
- 4.投資会社(投資家)の動向
- 5.補足資料
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#40では、2024年9月21日から2024年9月27日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
- レイヤー1とinterwovenロールアップを開発するInitiaが、シリーズAラウンドで1,400万ドル(評価額3億5,000万ドル)を調達
- ユーザーフレンドリーなクロスチェーンウォレットを提供するInfinex、Patron NFT Saleにて6,529万ドルを調達
- メタバースコンテンツ配信の改善を謳うSolana上のDePIN「Mawari Network」、新たに1,080万ドルの戦略的資金調達を実施
- ヘルスケア業界向けにHIPAAおよびGDPR準拠のL2ブロックチェーンを開発するAminoChainが、a16z cryptoとCercanoからの500万ドルの資金を調達
- 3Dマップを構築するDePINプロジェクト「MeshMap」、a16zcrypto CSX等から総額400万ドルの資金調達
- オンチェーン取引履歴にもとづくレコメンド機能(API)を提供するDaylight、USVと1kxの共同リードで600万ドルを調達
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
#40_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年9月」「直近1週間」「2024年度Q3」の資金調達の潮流を概説します。
1.「2024年9月」
調査時点で観測している9月の投資ラウンド件数は計99件、公開情報に基づく調達額は約$0.59B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。
2.「直近1週間」
直近一週間の投資ラウンド件数/週は17件、公開情報に基づく調達額/週は約$234M(※非公開情報は含まれません)です。
この期間中、公開された資金調達額ではインフラセクター($129.4M/8件)、DeFiセクター($71.3M/3件)、ゲームセクター($22.8M/3件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、Celestia(OTCでおよそ$100M調達)とInitia($14M調達)を含むモジュラーブロックチェーン関連($114M/2件)、デリバティブ※クロスチェーンウォレット($65.3M/1件)、メタバース関連($10.8M/1件)に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。
2.1.レイヤー1とinterwovenロールアップを開発するInitiaが、シリーズAラウンドで1,400万ドル(評価額3億5,000万ドル)を調達
レイヤー1とinterwovenロールアップを開発するInitiaが、シリーズAラウンドで1,400万ドル(評価額3億5,000万ドル)を調達。
このラウンドはTheory Venturesが主導し、Delphi VenturesやHack VC、他のエンジェル投資家が参加しています。
Initiaは、複数のCosmosSDKベースのロールアップを統合するネットワークです。主な構成要素は以下の通り。
- Initiaオーケストレーションレイヤー(Layer1): 「Initia」と呼ばれるベースブロックチェーンで、ネットワークのセキュリティ、コンセンサス、ガバナンス、相互運用性、流動性、チェーン間メッセージングを調整します。
- Initiaロールアップ(Layer2): 「Minitia」または「Mini Initia」と呼ばれるLayer2ソリューションで、EVM、MoveVM、WasmVMのいずれかで動作し、CosmosSDKを基盤にしてスケーラビリティと取引スループットを向上させます。
- Initia Optimistic Rollupフレームワーク(OPinit Stack): CosmosSDK上で構築されたOptimistic Rollupフレームワークで、Initiaロールアップのセキュリティを確保するため、fraud proofsやロールバックを提供します。
- 相互運用性・ブリッジミドルウェア: IBCプロトコルやTBAブリッジプロバイダーを用いて、Omnitia内のLayer1とLayer2間、また異なるブロックチェーンネットワーク間の資産やデータ転送を容易にします。
これらを総称して「Omnitia」と呼び、包括的で相互運用可能なブロックチェーンソリューションを提供するとしています。
Initiaのメインネットとトークンのローンチは今後2ヶ月以内を予定しています。詳細は公式Docをご参考ください。
[参考]
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。