なぜ、Pendleはイールドトークナイゼーションプロトコルの代表格となり得たのか
2024年02月01日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 概要
- 導入
- Pendleの概要
- Pendleの仕組み(主要な3つの構成要素)
- 考察:Pendleの成長要因と展望
- 1. 元々ニーズのあったイールドトークナイゼーションという市場をDeFiにおいて確立させた
- 2. DeFi(ブロックチェーン)特有のトレンドに適応してPendle上の投資対象や取引環境を強化した
- Pendleの現状
- Pendleの展望
- 総括
- リファレンス
概要
- Pendleの成長要因としては、DeFi市場におけるイールドトークナイゼーションの確立と、トレンドに適応して投資対象や取引環境を強化したことが考えられる
- 具体的な背景としては、リキッドステーキングデリバティブの増加、Real World Assets(RWA)プロトコルへの資金流入、Arbitrum STIPの開始、リステーキングナラティブへの適応など、市場の変化に対応したことである
- 今後もイールドトークナイゼーションのマーケットは成長する可能性があるが、PendleのようなDeFiプロジェクトは、まだ十分なストレステストを経ていないことを理解する必要がある
導入
2024年1月、PendleのTVLが急成長しました。ネイティブトークン$PENDLEは1年前から3,000%以上の上昇、TVLは1500万ドルから5億3,000万ドルにまで上昇しています。
Pendleは、Aaveなどの債権トークン、DEXに対するLPトークンなど「利回りが発生するトークン」を元本と利回り部分に分割して取引ができるようにするDeFiプロトコルです。
将来の利回りをトークン化することで、利回りトークンだけを先に売却して収入を得て実質的に固定金利戦略を取ることができます。さらに利回りトークンをPendleのAMMで購入して元本を持たずに利回りに直接投資することも可能です。Pendleでは資産運用の戦略に、より柔軟性を持つことができます。
では、Pendleが市場で存在感を強めるに至ったのはなぜなのでしょうか?その背景にはどのような要素があるのでしょうか?
このレポートでは、Pendleが成長した背景を紐解くと共に、その要素を検討することを通じて今後のPendleの展望について考察を行います。
結論から言えば、Pendleが成長した要因は、元々ニーズのあったイールドトークナイゼーションという市場をDeFiにおいて確立させたこと、DeFi(ブロックチェーン)特有のトレンドに適応してPendle上の投資対象や取引環境を強化したこと、の2点にあると筆者は考えています。
読者は本レポートを通じて、DeFiにおけるイールドトークナイズドプロトコルの概要把握といった入門からPendleの現状把握ができるだけでなく、その成長要因への理解を通じて今後のDeFiの投資戦略を検討する上での参考とすることができるはずです。
なお、イールドトークナイゼーションがなぜDeFiにおいて重要性が増していく可能性があるのか、将来的に市場規模はどのように発展する可能性があるのか、については下記のレポートで触れています。本レポートを読む前提としてご把握いただくとより理解が深まるはずです。
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