大手企業が取り組むWeb3 -2023年の振り返り-
2024年01月24日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提:Web3の思想から見ると企業との相性、Web3で重要な要素とは
- 2023年に注目された分野
- 大手企業とWeb3事業の課題
- 総括
前提:Web3の思想から見ると企業との相性、Web3で重要な要素とは
本レポートでは、国内法人に特化して2023年の振り返りと2024年に成功するための要素を取り上げます。筆者は累計90社以上の法人顧客に対し、年間100回以上の壁打ちと、複数社に対するコンサルティングを行っていました。そこから見えてきた課題と対策について本レポートで触れていきます。
前提として、Web3には権力や力が集まりすぎた中央集権的な主体に対して、ブロックチェーン技術を使ってその社会課題を解決しようという動きがあります(諸説あります)。社会課題に対して技術を使って解決する運動は過去の歴史でも繰り返されており、15世紀にはカトリック教会の権威に異議を唱えたルターの思想が活版印刷で広がりを見せ、21世紀には中東のチュニジアで男性の焼身自殺動画がSNSで拡散されたことをきっかけに独裁政権が転覆されたアラブの春がありました。大手企業という中央集権的な主体は、分散性を重んじるWeb3とは相性があまり良くなく、工夫が必要です。
参照レポート:web3の思想背景
またトークンやNFTを使ってインセンティブ設計を駆使し、インセンティブを使って自律的に広がる仕組みであるネットワーク効果は、Web3で重要な要素です。この仕組みもレピュテーションを気にする大手企業とは相性がよくないと言わざるを得ません。
また法規制や会計監査の関係でトークンの発行は難しく、国内企業の取り組みはNFTに偏っていきました。しかしNFTの特徴をスタンプ的に使われてきたマーケティング的なNFTの熱は冷め、過去に起こった「なぜブロックチェーン」議論のように「なぜNFT」議論が一部で起こっています。今後のNFTはその特徴を活かしたものに淘汰されていくと思われます。
このように広がりを見せながらも課題が残った2023年の企業のWeb3活動ですが、その詳細を説明し、成功するために2024年に何が必要かを説明していきます。企業のWeb3担当者や、企業の活動に違和感を覚えている人に読んでほしいレポートです。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。