「ナラティブを再考する」特集|3月25日~4月7日の期間限定レポート

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  • より多くの人に暗号資産・ブロックチェーンの知見を届けるために
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より多くの人に暗号資産・ブロックチェーンの知見を届けるために

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「ナラティブを再考する」特集|3月25日~4月7日の期間限定レポート


3月25日~4月7日の期間限定レポートでは「ナラティブを再考する」をテーマに特集します。
今回は2020、2021年と続いたある種のナラティブが非常に力を持った暗号資産市場を改めて捉え直し、私たちが「読んでいた」「読んでいる」「読もうとしている」ナラティブがどのような性質を持つものなのかを理解することを目的に特集を組みます。

参照:Fear Is The Mind-Killer
上図は暗号資産界隈で機能しているナラティブの前提を表した(ように筆者には思える)図表です。Fear Is The Mind-Killerというブログで紹介されたこの図表は各投資家、各トレーダーのIQ度合いと全体に占める割合を感覚的に示したものです。ここで触れられているIQとは一般的なそれを指しているわけではなく、貪欲さと恐怖のバランス感覚を指しており、過去の経験や知識によって貪欲さよりも恐怖(損をすると感じる)の方が強い傾向にある人をよりIQが高い人であると仮定して示しています。
2020、2021年と続いたナラティブはさまざまありましたが、特に象徴的であったのは貪欲な「犬」群であり、この波にうまく乗れたのは間違いなく恐怖よりも貪欲さが勝る一見すると低IQのように扱われる層だったという事実は認めざるを得ません。
一見すると馬鹿げているように見えるミーム祭りは犬群だけではなく、過去を振り返ればブロックサイズ大小競争、PoW vs PoS、L1 vs~、(3,3)、BAYCなど一部の賢い人々の周りで踊り狂う人々(または熱心な信仰者)によってトレンドが牽引され、いつしかVCではなく匿名インフルエンサーが市場で非常に力をもつという象徴的な現象へと発展してきました。これは熱狂的な信仰行為と似ており、教義に対する異論は自己検閲機能によって自動修復されるという特徴を持ち、それ故の力強さがあります。
執筆時点ではマクロ要因によってこの動きやインフルエンサーが持つ効力は落ち着いてきているように見え、一時的なお祭りであったかのようにも感じられます。しかし、果たして本当にナラティブによる扇動は機能しなくなったのでしょうか?
これは筆者の個人的な見解ですが、暗号資産市場はいわゆるワイルドなPvPフィールドであり、それ故に貪欲な強者が貪欲な弱者を食らうという食物連鎖は避けられず、その連鎖の開始と同時に同じような周期をまた繰り返すのではないかと感じています。
その良し悪しはここでは置いておきますが、これは単にミームを量産すれば物語が広まるわけではないという事実もあり、特定のある条件下にあってこそ物語とその布教活動は発生し得るものなのではないかと筆者は感じています。
そのヒントになりそうなものとして2022年2月にGalois Capitalが公開した「State of the Market」に掲載された4象限マップがありますのでそちらを簡単にご紹介します。

参照:「State of the Market」
上の4象限マップは縦軸をユートピア主義度合い、横軸をgrift(不正、詐欺)度合いで表しています。
新しいプロジェクトの多くは古いプロジェクトが抱える課題を解消するものとして現れる傾向にありますが、このように新規ソリューションを提示する傾向の強さをユートピア主義の強さとして表しています。
この図で考察すると、BTCよりもETHはユートピア主義傾向は強く、ETHよりもSOL、AVAXの方がよりユートピア主義的だということです。
もう一方の横軸(grift)は直訳すると不正や詐欺のような意味合いになりますが、ここでいうgriftの意味合いをより厳密に表すならばコピープロダクトであるか否かの度合いを表しています。つまりオリジナルの高潔さと比較して、コピーは不潔であるかのように扱われる傾向はあり、例えばEthereum上のオリジナルをそのまま他のEVM互換チェーンにコピーしたプロダクトはgrift度合いが強いということをこのマップでは意味します。
以上を踏まえた上で各象限を見ていきましょう。

【象限1】

まず左下の象限1はオリジナル性があり、比較的レガシーなプロジェクト群に当てはまります。例えばBTCがその代表として挙げられますが、このセクターは長期投資には向いてはいるが短期的な魅力に欠ける傾向にあるとされています。つまり、強い貪欲さを必要とするナラティブ醸成場にはなりにくいセクターと言えるでしょう。

【象限2】

左上の象限2はオリジナル性があり、かつユートピア主義傾向が強いセクターです。誠実さと新世界の探索を求める層とされていますが、その存在意義を正当化するために【象限1】の課題を提示して大義名分を謳う傾向にあるとしています。この現象は過去何度も見た光景ですが、このようなユートピア主義的な場でミームは作られ易い傾向にあるように思います。 このセクターのプロジェクトは創設者の熱心さがコミュニティに影響して比較的早期に資金が流れ込んでくる可能性もありますが、その理想とする技術を体現するには時間と資金が必要であり、それが達成された場合にのみ長期で良い投資先、つまり象限1になる可能性があるとされています。

【象限3】

右下の象限3はコピープロダクトであり、特に新しい課題解決にも取り組んでいないプロジェクト群のセクターです。貧乏くじを引くようなプロジェクト群であると記事内では述べられています。必ずしもそうとは限りませんが、手っ取り早く資金を調達する方法ではあるので貪欲な強者(プロジェクト)が貪欲な弱者(利用者)を食う構図になりやすいセクターだと考えられます。

【象限4】

右上の象限4はコピープロダクトではあるが、ユートピア主義的という最もトリッキーな動きで短期的な成功を生む可能性があるセクターです。
コピーである、はすなわち不潔であると解釈される向きもありますが、コピーをする、は初期開発費用の節約とも言え、コピープロダクトで新規開発を行えるだけの十分な資金を確保できた場合にはこの象限4は象限2→象限1に化ける可能性を秘めています。これはIPO銘柄でもよく見られる現象ですが、記事内では暗号資産の性質上(早期に流動性を確保しやすい)、この象限4から象限2に化ける現象はIPO銘柄よりも起こりやすいのではないかと述べています。
つまり象限2は手堅いように見えますが、早期流動性確保という点に着目すると象限4は象限2よりも技術開発が早期に進む可能性があるということです。
とはいえ、この象限4と象限3は一見して区別がつかず、創設者が掲げる理想とその裏付けとなる資料や発言をある程度信用する必要はあり、冒頭で述べた貪欲さより恐怖が打ち勝つIQの高い層には難易度の高い投資先であることには変わりありません。
今回の期間限定記事ではこの象限4と象限2をよりよく理解するために、象限4を代表するミームコインに関するレポートと、象限2を代表するL1銘柄に関するレポート計2本を無料会員様向けに公開致します。

なお、HashHub Researchで配信される全てのレポートは、投資を助言または推奨するものではなく、情報提供と教育のみを目的としています。私たちのサービスを利用したことによる利用者の不利益や投資の損失については一切の責任を負えないことをご了承ください。お客様が本レポートで参照される暗号資産または関連するアセットに関して投資判断を行う場合は、事前にご自身でリサーチ及びデューデリジェンスを実施していただく必要があります。

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