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DID普及のために: ウォレットリカバリーと複数署名システムのまとめと考察

2022年10月01日

目次

  • 前提
  • ウォレット復旧システム
  • 複数署名のシステム
  • リカバリーやTSSを実装したプロダクト
  • ウォレットリカバリーの現状と本音

前提

DID (Decentralized Identifier: 分散型ID)は、ブロックチェーン技術を活用したアカウント(ID)のことを指します。自分のパブリックウォレットアドレス、そしてその秘密鍵を知っていることを唯一無二の個人証明として、Web3上で自分のアイデンティティを確立するためのコンセプトとして注目を集めています。
ツイッターやインスタグラムなどの典型的なサービスは、それぞれが別々のサーバーで管理されているため、アカウントも別々に作成する必要があります。一方、DIDは分散型データベース上に存在し、複数のサービス/DAppsをひとつのアカウントで一元管理することができます。
さらに、DIDを活用すれば様々なサービス上での自分のアイデンティティをひとつのアカウントで証明できるため、アイデンティティの乗っ取りやスパムの抑制も期待されています。
現在、秘密鍵管理の方法としてはシードフレーズ(ニモニックフレーズ)の記録・保存が一般的となっていますが、これは盗難や紛失に脆い大きな単一障害点(Single Point of Failure: SPF)です。この単一障害点がもたらすリスクは、保管している暗号資産はもちろん、DIDが普及した際には自分のWeb3アイデンティティそのものにまで及ぶことになります。
普段からブロックチェーンを利用しているユーザーの間ですら秘密鍵の紛失が多発する中、こういった知識も持たない一般ユーザーにとってシードフレーズの管理は大きな参入障壁になっていると考えられます。
こういった背景を省みて、ユーザーのミス等をある程度許容しながら秘密鍵の盗難・紛失リスクを抑えるための取り組みが世界中のコミュニティで行われています。
本レポートでは、秘密鍵紛失への対策としてウォレット復旧(リカバリー)の概念と、ひとつのアドレスを複数に分割する技術の最新情報を解説します。また、この分野において代表的なプロジェクトも取り上げます。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。