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Web3スタートアップの創業者が陥る罠

2022年08月08日

目次

  • 前提
  • PMF→持続する仕組み(往々にしてそれは売上)が一番重要という身も蓋もない話
  • Web3の起業家にとっての2つの意思決定をジェフベゾス のフレームワークで考える。
  • 総括

前提

本レポートでは、筆者の視点でWeb3スタートアップの創業者が陥る罠について自論を述べます。暗号資産やブロックチェーンは長い時間軸の技術トレンドですが、その中でも昨年後半からWeb3という単語がバズワードになり、この言葉を旗印に起業家・VC・企業の関心を集めています。
『クリプト業界で定期的に起こる世代交代に向き合う思考法』 のレポートでも述べましたが、厳密にWeb3という言葉に定義はなく、ブロックチェーンを使って新しいことをする、程度に使われている場合が多いです。
Web3という言葉自体は、Ethereum共同創業者のGavin Woodのブログ「ĐApps: What Web 3.0 Looks Like」で最初に使われた言葉で、その後はEthereumとPolkadotのコミュニティの一部で使われていた言葉です。その後2021年後半からシリコンバレーがこの言葉を盛り上げて、日本でも流行った経緯があります。ブロックチェーンを使った新しいアプリケーションをつくるという意味では、直訳すると暗号を意味する「Crypto」よりも「Web3」のほうが、同じことを意味していても世間に受け入れられやすく、業界のリブランディングだったと筆者は捉えています。
そんな中、日本国内に拠点を置くVCであるCoral Capital「クリプトに関心があるものの投資に値するスタートアップが存在しない」という趣旨をブログにしました。

実は「Web3」系のスタートアップにはまだ投資したことがありません

(一部省略)

少なくともチームのうち2人がすでにクリプトに長いこと投資しているわけで、当然チームとしても興味を持っています。社内でもWeb3勉強会を開催してLayer1/2の技術動向やNFTの応用を論じたりもしています。ただ、Coralではスタートアップへの投資を検討する際に以下の2つの基本的なポイントを確認しているのですが、説得力のある答えを出せるWeb3系スタートアップが見つかっていないというのが正直なところです。
①どのような実在するペインポイントを解決しようとしているのか。
②そのソリューションが本質的な解決になるか。
実際のところ、この主張は筆者自身とても理解できる内容でした。この主張は私自身がこれから事業を始めるというWeb3スタートアップと話す際に感じる内容と似たものだからです。またSNSを見ている限り、猫も杓子もWeb3のように思えますが、筆者の観測範囲では優秀なキャピタリストほどWeb3の投資に慎重のように感じることもあります。
なぜこういった感覚を抱くかは、そこには「Web3スタートアップの創業者が陥る罠」がありそうですが、本レポートではこれを掘り下げ、筆者の考えを展開します。なお以前には下記のレポートも公開しており、今回はその続編のような内容となっております。

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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。

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