dYdX Chainの概要 分散型無期限先物取引所プロジェクトはなぜ独自ブロックチェーンを構築するのか
2022年06月27日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- dYdX Chainの概要
- ・独自ブロックチェーンはCOSMOS SDKで構築される
- ・dYdXトークンはレイヤー1トークンとしてアップデートされる
- ・オフチェーンの分散型オーダーブックを持つ
- ・取引におけるガス代が無料
- ・将来的な可能性
- 分散型無期限先物取引所プロジェクトはなぜ独自ブロックチェーンを構築するのか
- 総括
前提
本レポートでは、dYdX Chainの概要について解説します。
分散型無期限先物取引所の代表的プロジェクトであるdYdX は、2022年6月に次期バージョンのv4では独自ブロックチェーンに移行させる計画を発表しました。執筆時点でv4はまだ開発中のステータスで、2022年末にdYdX Chainとしてオープンソースで公開される予定です。
dYdXは2017年に創業され、一環して先物・デリバティブの分散型取引所を開発しています。下記は古いレポートですが、当時からdYdXが分散型無期限先物市場に向き合っていることを理解できるはずです。
現在リリースされているv3はEthereumのレイヤー2であるStark-net上で構築されています。Stark-netはイスラエル企業のStarkWareが開発するゼロ知識証明を活用したレイヤー2(zk-rollup)です。v3のユーザーエクスペリエンスは分散型取引所としては非常に優れていて、iosアプリもリリースされています。ユーザーからの評価は取引ボリュームにも反映されていて、中央集権取引所を含む無期限先物市場の取引高で約20位に位置しています。将来的に中央集権の無期限先物市場を超える可能性を感じさせる成長と言えるでしょう。
そのように勢いに乗っているdYdXの次期バージョンではEthereumのレイヤー2から独自ブロックチェーンに移動する構想を明らかにした次第です。dYdX Chainは、独自ブロックチェーン専用開発フレームワークのCOSMOS SDKを用いて開発される予定です。
今回のレポートでは、dYdX Chainの概要および、なぜ同プロジェクトがレイヤー2上の開発から独自ブロックチェーンに移行するのか筆者の視点で考察を行います。
参考:dYdX Chain
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。