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BitcoinやEthereumなどのETFの基本情報 アメリカでの上場可能性と実現した場合の影響

2021年06月13日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • BitcoinやEthereumなどのETFはなぜ期待されているのか
  • ゴールドのETFの歴史
  • アメリカでの暗号資産ETF可能性
  • ETFが承認された場合の業界やマーケットへの影響
  • 総論

前提

本レポートでは、BitcoinやEthereumなどのETFについて解説および考察をします。アメリカでの承認可能性と、実現した場合の影響についても触れます。
暗号資産のETF、その中でも特にBitcoinのETFのアメリカ市場での承認は、業界内で長らく期待されているトピックです。2017年頃からこの期待が高まっているものの、未だ実現はしていません。
今回はBitcoinやEthereumなどのETFはなぜ期待されているかを踏まえて、このトピックについて広く概観します。

BitcoinやEthereumなどのETFはなぜ期待されているのか

まずはBitcoinやEthereumなどのETFの基本情報を復習します。
ETFはExchange Traded Fundつまり上場投資信託であり、取引所に上場された投資信託を指します。
Bitcoin ETFであれば、Bitcoinを信託して投資信託として公開市場で取引できる証券にします。1単位あたり1BTCが信託されているのであれば、そのETFの市場価格は1BTCと概ね連動されることが期待されます。ETFは通常、交換(解約)が可能で、発行証券会社にETFを拠出して、基準価格と呼ばれるネット資産に紐づく法定通貨の受け渡しが可能です。
前提として、伝統的な投資家にとって、暗号資産は定義が不明確な新しいアセットクラスであり、秘密鍵管理なども新しい概念です。暗号資産がETF化されるとこれらが解決されます。ETFということは証券なので、投資家はこれまで通りの証券会社および証券口座、これまで通りの取引市場で、実質的に暗号資産の購入ができるようになります。加えてETFであれば実態として証券なので、税率は各国の証券の税率に従うことになります。
つまりより伝統的な機関投資家や証券口座しか持たない投資家が暗号資産にアクセスできるようになります。これに対して「今でもすでに機関投資家はBTCなどを購入しており、何が変わるのか?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。しかしながら、そういった機関投資家はまだ一部であり、より多くの潜在的な需要が機関投資家にある可能性があります。
例えば、大口投資家がBitcoinを買いたい場合、今であればCoinbaseをブローカーにして同じくCoinbaseをカストディにするのはメジャーな手法です。米国最大の暗号資産取引所のCoinbaseはこういった大口投資家に対してブローカー事業も展開しています。
しかしながら、この手法でBitcoinに投資をする場合、投資家はCoinbaseのカウンターパーティーリスクを負うことにもなるので、機関投資家はCoinbaseのリスク調査・デューデリジェンスを行う必要があります。結果、コンプライアンスの高い投資会社ではCoinbaseを使うことが許されずBitcoinの購入ができないかもしれません。
あるいは、一般にファンドなどでは組成時に決められた投資方針に投資対象アセットを明記しますが、そこには暗号資産は通常明記されていません。つまり暗号資産に投資できません。しかしETFであれば証券なので投資可能です。
このように幅広い投資家が暗号資産にアクセスできるようになり、そのためETFは期待されています。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。