Impermax Financeの概要 AMM分散型取引所のLPトークンで借り入れやレバレッジをできるプロトコル
2021年05月06日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Impermax Financeの概要
- 基本概要
- Impermaxの基本的な仕組み
- Alpha Homoraとの比較、レバレッジの効率性
- 分離されたレンディングプールによる長所と短所
- 分離されたレンディングプールの長所
- 分離されたレンディングプールの短所
- 担保モデルによる違い
- IMXトークンの概要
- トークンエコノミクス・ユースケース
- トークンディストリビューション
- 総論
前提
本レポートでは、Impermax Finance(以下、Impermax)の概要について解説します。ImpermaxはAMM(Automated Market Maker)分散型取引所のLPトークンで借り入れやレバレッジをできるEthereum上のプロトコルです。
LPトークンとは、UniswapなどのAMM型の分散型取引所にマーケットメイカーとして流動性提供をすると、その証書として得られるトークンのことを指します。このLPトークンを保有していることで流動性提供による取引所手数料を得られることや、あるいはLPトークンをステーキングすることで流動性提供の見返りにインセンティブを受け取る流動性マイニング(ファーミング)という仕組みがあります。
なお本レポートは、読者がAMMの分散型取引所の基本的な仕組みやImpermanent Lossの知識があることを前提とします。これらについては下記レポートを参照下さい。
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ImpermaxはこのLPトークンを担保にして、資金の借り入れを実行できるレンディングプロトコルです。今回は同プロトコルの概要と基本的な仕組みと、独自トークンであるIMXトークンの概要について解説します。
Impermax Financeの概要
基本概要
ImpermaxはAMM型分散型取引所のLPトークンを担保にして、借り入れを実行できるプロトコルです。2021年3月にEthereumのメインネットで公開されました。執筆時点においてはUniswap v2のLPトークンが対象で、これを担保にして借り入れができます。今後、その他の分散型取引所やUniswap v3の対応もするといいます。
ImpermaxはAMM分散型取引所に関連する2つの課題を解決します。1つ目の課題はAMMに流動性提供をするとその証書であるLPトークンを受け取れ、そのLPトークンには流動性ペアが内在しているにもかかわらずそれを担保として利用できないことです。例えばETHとUSDCの流動性提供をしているならば、LPトークンにはETHとUSDCが内在しており、それは十分に担保価値がある資産ですが担保として使えるプロトコルは多くありません。2つ目の課題が、Impermanent Lossです。Impermanent Lossとは流動性提供者は、最初にプールに入れた時の価格からの変動に比例して損失が生じるという流動性提供における典型的なリスクです。ImpermaxはILを嫌うユーザーに対しても解決策を示しています。
2021年5月時点でImpermaxはCertikとCyber Unitから2つのスマートコントラクト監査を受けています。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。