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AMMの概要及びBancor、Uniswap、Balancerによる2020年4月時点の動向

2020年04月01日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • AMMの概要
    • AMMを構成する主要な要素
    • DeFiにおけるAMMの歴史
    • 【Uniswap過去レポート】
  • AMMの新たな動向
    • Bancor
    • Uniswap v2
    • Balancer
  • 考察
  • 総論
  • 【参照】

前提

本レポートでは、Ethereum Blockchain上で開発されているAutomated Market Makers(以下AMM)のこれまでの流れをおさらいし、執筆時点(2020年4月)での新たな展開をみせるプロダクト事例を概観します。
AMMとは取引のルールをアルゴリズムによって制御する「自律的に機能するマーケットメイカー」を意味する用語で、従来の金融市場の中でも語られてきた概念です。
Ethereumのようなスマートコントラクトプラットフォーム上に構築されている所謂DeFi(Decentralized Finance)と称される分散型金融システムにもAMMは存在し、従来とは異なる新機能(スマートコントラクトによる資産の保管及び取引方法の制御、アトミック取引、価格修正のための即時フィードバックループなど)をもつAMMが誕生しています。
またDeFiにおけるAMMとは人工知能による自律化を必ずしも指すものではなく、インセンティブをもつマーケットメイカーとして市場に流動性を提供する不特定多数のユーザーの介在とスマートコントラクトによる自動処理機能により本機能を実現しているDEX(分散型取引所)も含まれています。
所謂DEXと呼ばれる分散型取引所の中でも上記のようなAMMの性質をもつDEXと、その他のDEXとの違いもあり、その違いは「流動性提供(またはマーケットメイク)がパーミッションレス」であるか否かという点にあります。また流動性提供がパーミションレスなAMMは少数のプロのマーケットメイカーが流動性提供するDEXではなく、Uniswapのように不特定多数のユーザーが流動性提供することができるDEXであるということです。
この要素には主に2つの意義があり、一つはインセンティブをもつ不特定多数の参加を促すことで、システムを自律的に機能(分散化が進むとアンストッパブルな性質を持たせることも期待できます)させるため、もう一つはDeFiにおけるAMMの主目的である「パーミションレスな環境下でプロジェクトが発行するトークンに流動性を与える」ことを実現するためです。
DeFiにおけるAMMの存在は、従来のような集権型取引所(以下CEX)による高額な上場手数料(25万ドル以上になることもあり、マーケットメイカーへの支払いはさらに高額になる可能性もある)を避ける形で新規プロジェクトが容易にプロジェクトトークンの流動性を得ることを目的としています。このような背景から誕生したAMMとその他DEX、CEXはその性質が異なるため、本レポート内では便宜的にこのようなDEXをAMMと記します。
本レポートでは、AMMの概要(構成要素及びその歴史)、さらに執筆時点で起きているAMMの新たな動向を示すいくつかのプロジェクト事例を解説し、現時点でのAMMの概要及び方向性を理解することを目指します。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。