2019年中国の規制状況を分野別に概観する
2019年10月31日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 暗号通貨への態度は厳しいが保有や個人間の送金は可能
- ICOは全面禁止、ブロックチェーンサービスは規制対象
- 暗号資産の交換は人民元に取って変わらなければ可能
- 暗号資産の送金はキャピタルフライトの観点で懸念
- 中央銀行によるデジタル通貨は”不可避”という姿勢
- マイニングは非推奨リストだが、強制的な停止はされていない
- 総論
前提
本レポートではGlobal Legal Insightsで発行された『Blockchain & Cryptocurrency Regulation 2020 - China』を元に中国国内の暗号通貨/ブロックチェーン領域の規制状況を概観します。こちらのレポートは複数の国における現況がまとめられており、日本は弁護士の長瀬威志氏が担当しています。
先日、レポート『習近平国家主席のブロックチェーン重視により中国人はパブリックチェーンとプライベートチェーン両方で覇権を取るか』https://hashhub-research.com/articles/2019-10-31-china-blockchainを配信しましたが、中国の規制状況について詳しく理解している方は少なく、「ブロックチェーンには友好的だが、暗号資産は禁止されている」と捉えている方も多いと思います。本レポートでは、政府の政策や取引所、マイニング、送金などの側面に焦点を当てて、規制状況についてまとめていきます。
中国のブロックチェーンへの取り組みについては以下の過去レポートもご覧ください。
*レポート:杭州市ブロックチェーン産業概観
https://hashhub-research.com/articles/2019-01-24-blockchain-in-hangzhou
https://hashhub-research.com/articles/2019-01-24-blockchain-in-hangzhou
*レポート:北京市ブロックチェーン産業概観
https://hashhub-research.com/articles/2019-02-07-blockchain-in-beijing
https://hashhub-research.com/articles/2019-02-07-blockchain-in-beijing
*レポート:「アリババグループ」のブロックチェーン活用状況について概観する
https://hashhub-research.com/articles/2019-01-17-alibaba-blockchain
https://hashhub-research.com/articles/2019-01-17-alibaba-blockchain
中国はブロックチェーンの有用性は認めてきたものの、Bitcoinやその他の暗号資産については懐疑的な姿勢を保ってきました。2016年に発表された第13次5カ年計画ではブロックチェーンを「戦略的フロンティア技術」と評し、技術と実用面での応用のための研究と開発を推奨した上で、習近平国家主席は人工知能、量子情報、モバイル通信、IoTと並んでブロックチェーンを新世代の技術と評価しています。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。