取引所トークンを俯瞰する 利益還元モデルからトレードマイニングまで
2018年08月14日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 取引所が発行するトークンとは
- 取引所トークンは、現実のキャッシュフローに紐づく現状ほぼ唯一のトークンカテゴリ
- 取引所トークンのモデル事例と考察1:Binance
- 基本情報
- トークンモデル
- 利益から買い戻し
- 上場費用手数料
- LaunchPadでのトークン購入
- アフィリエイトの優遇
- Binance式トレードマイニング(2018年7月〜)
- 取引所トークンのモデル事例と考察2:Huobi
- 基本情報
- トークンモデル
- 利益から買い戻し
- 上場トークン選定への投票
- Huobiの経営ガバナンスへの議決権・投票権
- 2018年5月に創業をしたFCoinと、Trans-fee mining
- FTのディストリビューション、FTトークンの設計
- 基本情報
- トークンの分配方式・ディストリビューション
- トークン設計
- コミュニティパートナーへの就任権
- Trans-fee miningの基本設計、FTの発行メカニズム
- FT以外のFCoinトークンのFcandy、Locking as Mining について
- Fcandyを使用したメカニズム
- Binance CEOのCZのトレードマイニングへの批判点
- FCoin CEOの「トレードマイニングはスキャム」に対する反論
- Trans-fee miningの是非に対する見解、問題点を分解し、より可能性のあるTrans-fee miningを検討する
- 取引所トークン総論
取引所が発行するトークンとは
本レポートでは取引所トークンについて俯瞰していきます。主要各取引所のトークン、設計概観、トレードマイニングの是非、などについて触れて行きます。
現在、Binance、FCoin、Kucoin、Huobi、Bitmartなどをはじめとして様々な取引所がトークンを発行しています。トークンのモデル設計は取引所ごとに異なり、2018年6月に入ってからは特にトレードマイニングという設計の取引所トークンが注目を浴びています。
一般的に取引所トークンは、中央集権取引所が発行をするトークンを指し、発行体が存在する株式会社発行のトークンです。
取引所トークンの元祖は、2017年に7月にICOをしたBinanceです。その後、香港ベースの取引所であるKucoinなどがこのBinanceの設計を踏襲し、さらにHuobiなどがこれに続きます。
これらを第一世代の取引所トークンとすると、第二世代の取引所トークンがFCoinをはじめとしたものになります。FCoinはHuobiの元CTOが2018年の5月に創業した取引所で、FTという自社トークンを発行し、トレードの出来高に応じてトークンを配布するモデルを設計しました。これが一般的にトレードマイニングと呼ばれます。
一ヶ月もたたないうちに、CoinEx、CoinPark、BKEXといった取引所がFCoinのモデルを模倣し、トレードマイニングは一時トレンドになります。今年の7月にトレードマイニングの人気はピークになり、出来高上位の取引所は、ほとんどがトレードマイニングを採用する取引所となりましたが、これについてはフェイクのボリュームであるという批判もあり、BinanceのCEOなどはトークン設計自体が詐欺的である、とも批判をするなど議論を呼んでいます。
本レポートでは、主要取引所トークンのモデルを整理し個別の考察をしたあとで、各トークンモデルを比較して、より詳細な分析を試みます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。