DATCOの定義

DATCO（Digital Asset Treasury Company）とは、世界の主要な証券取引所に上場しており、中核的な財務戦略として、ビットコイン（BTC）やその他のデジタル資産をバランスシート上に意図的に蓄積することを公言・実行する企業群を指します。

これは、受動的な財務管理の一環としての資産保有ではなく、企業価値の向上や資本効率の改善を目的とした、積極的かつ継続的な企業戦略です。投資家は、これらの企業への投資を、保有する原資産へのエクスポージャーを得るための「レバレッジのかかった代理投資」と見なしています。

DATCOを定義づける必須要件は以下の3点に集約されます。

以下、現時点でのDATOCの一覧です。Galaxy Researchが出典です。

DATCOと類似モデルとの区別

• 対ビットコイン・マイナー： マイニング企業も大量のビットコインを保有する場合があるが、その本質的な事業は、ハッシュレート、エネルギーコスト、運営効率を最適化することによる新規コインの「生産」である。彼らのビットコイン保有は、事業運営の副産物であることが多い。対照的に、DATCOの主要事業は、資本市場を活用したデジタル資産の「取得」そのものである。 
   
• 対受動的保有を行う事業会社： テスラやブロック（旧スクエア）のように、事業とは直接関連しない理由で暗号資産を保有する企業も存在する 。しかし、これらの企業にとって、暗号資産保有は中核的な事業戦略ではなく、あくまで財務戦略の一環に過ぎない。一方、DATCOにとって資産の蓄積は、その企業の株式価値を左右する物語の中心エンジンである。   
  
  
• 対クラウド・マイニング： クラウド・マイニングは、投資家がマイニング企業の事業に出資し、その報酬の分配を得る投資スキームである 。投資家はハッシュパワー（計算能力）の一部を購入する契約を結ぶが、これは取引所で株式が売買される事業会社であるDATCOとは全く異なるモデルである。