トレジャリー企業が模索するビットコインインカム事業について論考

2025年09月25日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
    • トレジャリー企業が模索するビットコインインカム事業について論考
    • 総括

前提

暗号資産トレジャリー企業が保有するビットコインで利回り(インカム)を得る方法を模索しています。しばしば当該企業のプレスリリース等では、「ビットコインインカム事業の開始」等を発信されています。
今回はこの方法論や継続性について論じます。
前提として、各社がこのような取り組みを開始・模索している背景として、対象のトレジャリー企業は、BTCをバランスシートでうまく活用する方法を保持しているからこそ、株価にプレミアムがつく妥当性が生まれるという考えがあります。株価にプレミアムがつけば資金調達をして、さらにBTCが購入できるからです。

逆に言えば、「バランスシートに上手く活用出来ていない(利回りを生まない、または株主資本コストを下回り利回りしか生まない)資産があるなら売るべきである」というのが通常のコーポレートガバナンスの考え方です。利回りを生まないビットコインを保持しているだけで株価にプレミアムがつくのは、特殊な状態で、流行りによる一時的な状態と考えるのが自然でしょう。だからこそ資産を活用するという観点でインカムを実現して、株価プレミアムを維持・拡大させる動機があると言えます。これが各社がビットコインインカム事業を模索する背景です。トレジャリー企業のmNAVが低下しており、各社にとってはそのモチベーションがより強くなっているとも言えます。


しかしながら、暗号資産の運用を長く真剣に取り組んでいる人ほど実感するでしょうが、BTCを他のアセットにスワップしたりせずに、低リスクで利回りを得る方法の実現は簡単ではありません。特に、大口の個人で50BTCや100BTCくらいまでの残高でそのストラテジー構築を実現できたとしても、トレジャリー企業が1000BTCや10000BTC単位でそれを再現するのは極めて困難と言えるでしょう。
実際に各社の取り組みを見ると、その方法論には一長一短があるように見えます。以下からその論考を述べたいです。
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